第4話

  4・派遣村



 リーマンショックで仕事が激減してしまったせいで、オレは当時の派遣会社から、「他に仕事もないし、一ヶ月以内に寮を出て欲しい」と言われちまった。幸い農機具という季節に左右されやすい物を作っている会社が、「時期的に忙しい」という理由で人を募集していたんで寮を借りていた派遣とは違う派遣会社経由でそこに採用される事になったオレは、いわゆる「派遣村」とやらへは行かずに済んだ。オレはその新しく入社した派遣会社の寮に入った。そこでオレは当然のようにこう思った、「もう二度と派遣の寮で生活するのはゴメンだ」ってね。で、それはそれはカツカツになってアパートを借りるお金を貯金し始めたのさ。ところがさ、世の中には人の気も知らないで平気な顔をして自分の言いたい事ばかりズケズケ言いまくるデリカシーの欠片もヤツが少なからずいるんだよな。ある日、大して仲が良かったわけでもなんでもないヤツから突然こう話しかけられたんだよ。

「実はオレ、パソコンのオンラインゲームをやっているんですよ」って。なんでもそれは三国志がモチーフになってるらしくて、「仲間になれば二人で同時に一つの城を攻めたりもできるんですよ」って言うんだよ。

「へぇ、そうなんですか」

 オレは曖昧にそう答えた。その時は、ただ単純に、自分の趣味について語りたいだけなんだろう、としか思ってなかったからだ。そしたらソイツ、今度はいきなりこう言い出したんだ。

「どうです? 一緒にやりませんか?」ってね。

「いや、オレ、ドラクエとかファイファンとか極めてオーソドックスなゲームしかやらないし……」

「そんなに難しくないですよ!」

「それに歴史物のゲームなんてやった事もないし……」

 そこまで言えば分かるだろうに、ソイツはしつこくこう言って食い下がってきたんだ。

「だからそんなに難しくないですって!」

「そもそもパソコン持ってないし……」

「買えばいいじゃないですか!」

「いや、オレは今、アパートを借りて一刻も早く寮を出たいと思っていて、カツカツになって貯金してるんですよ。パソコン買う余裕なんかありませんから」

 普通ならこれで話が終わるだろうに、それからもソイツは、それはそれは熱心にオレを誘い続けたんだよ。多分ソイツは、「貯金があるならパソコンぐらい買えるだろう」としか思ってなかったんだろうね。正真正銘のゲームオタクで、毎日毎日ゲームばっかりやっていて、社会で何が起きているのかなんて全く知らないんだろうし知ろうという気もなかったんだろうね。それだけじゃない、オレの事をなんか勘違いしていて、

「今からどこそこの城を攻めに行け!」って電話したら必ず「イエッサー!」って答えるようなヤツだ、という風にでも見ていたんだろうね。仮に、「いや、もう眠い、風呂に入って寝たい」と言ったところで、

「いいからとにかく攻めに行け!」

 きっとそう言っていただろうね。そう思いたくなるぐらい、とにかくお構いナシにオレを誘うんだよ。ところがどっこい、オレにはオレで強い意思と目標があった、ってわけなのさ。

 心理学の本で読んだ話なんだけど、男が女をデートに誘うとするよな(別に逆でも同じ事なんだけど)、でもその時その女には他に用事があってデートを断ったとする。しばらく経って男がもう一度女をデートに誘う、でもやっぱり女には用事があってデートには行けなかったとする。……こういう事が何度か続くと、その女は、「私がこのひとの誘いを断るのは、他に用事があるからではなく、この人の事が嫌いだからなんだ」って思うようになるらしいんだ。オレがこの三国志のゲームをやっていた男に対する気持ちって、まさにこれと同じだったんだよ。

 決定的に嫌になったのは、

「ああ、もっと貯金を頑張らなくちゃ……」ってぼやいた時の事だった。ソイツからこう言われたんだよ。

「パソコン買いましょうよ」ってね。頭に来ちゃったよ。だからガツンと言ってやったんだ。

「人の気も知らないでゲーム・ゲーム言うのやめてください。不愉快です。だいたいもしパソコンを買ったとしても、住む場所を失くして派遣村へ行くようになっちゃったら意味がないじゃないですか。だいたい、そのゲームをやったからってアンタがオレの生活を保証してくれるわけじゃないでしょう」ってね。

「住む場所を失くすなんて大げさですよ。実家に帰ればいいじゃないですか」

「帰る所なんかどこにもありません」

「えっ、何でですか?」

「なんで友達でも何でもないアンタにそんな事を言わなきゃいけないんですか?」

 大太なら知ってるよな、ず〜っと一緒に暮らしていたし、友達だもんな。だから今さら言うまでもない事なんだけど、オレ、親弟妹おやきょうだいとは縁が切れているんだ。酒癖の悪い母親と、仕事依存症でオレの事を全然理解できていないくせに何もかも理解できていると思い込んでいた親父を捨てて神奈川から北関東こっちへ逃げてきてるんだよ。でもソイツはオレの事を勝手に友達認定してたみたいで、

「"友達でも何でもない"って、そんな言い方しなくたっていいじゃないですか!」って言うんだよ。

「じゃあどんな言い方をしたらいいんですか? やんわり言っても分かってもらえないなら、ハッキリ言うしかないでしょう。だいたいそういう自分はどうですか? オレの気持ちなんか知りもしないで言いたい事を言いたい放題言うくせに、オレが自分の言いたい事を言ったらいけないんですか? だいたい、"実家に帰ればいいじゃないですか"って、それってオレが貯金をはたいてパソコンを買ったとしても、生活の保証をする気はないって言っているのと同じですよ。とにかくもう、そのゲームの話はやめてください。そんなに誰かを自分の言いなりにして従わせたいと言うなら他の人を誘ってください」

 それ以来、ソイツはまったく話しかけて来なくなったよ。一度、仕事の事でどうしても話さなくちゃならない事があったんで話しかけた事があったんだけど、完全に無視されたしね。ひどいと思わないか? コイツはきっとゲーム依存症だったんだよ、生まれつきゲームをやると脳内麻薬が抽出されやすい体質をしていて、それだけが生きがいになってたんだよ。そしてそんな自分をモノサシにしてしか他人や社会を見る事ができなくなっていたんだよ。だからオレの置かれている状況なんか全然お構いなしだったのさ。確かに、ギャンブル依存症に比べれば、ゲーム依存症はまだマシだとは思う、そんなにお金もかからないしね。でも、人の気持ちを考えもせずに自分の要求ばかり突きつけて、で、はっきり拒否られたら無視だなんて、ちょっと幼稚過ぎると思わない? 

 でもね、大太、こんなのはまだいい方なんだよ。人間にはまだまだ辛い事がもっとたくさんあるんだよ。



 実を言うとその頃、オレの酒量はどんどん増えていたんだ。休みの日には昼間から飲んでいたしね、……まるで幼い頃のオレを散々苦しめた母親のように、ね。

「そんな事してないでもっともっと貯金に励むべきだ」って、頭では分かっていたんだ。でも、飲む事をだんだん我慢できなくなってきていたんだよ。「なんとかしなくちゃ」って思ったオレは、酒をやめている人たちの集まりである「断酒会」の人たちに電話で連絡を取ったのさ。リーマンショックのせいで仕事はめちゃくちゃ少なくなっていたし、当時働いていた農機具の工場だって、いつ減産するか分かったもんじゃないし、不安で不安で仕方がなかったんだ。で、不安になればなるほど、その不安から目を逸らしたくて酒を飲んでしまっていた、ってわけよ。飲んだからって不安が目減りするわけでもなければ何かが変わるわけでもないんだけど、少なくとも酔っぱらっちまえばその時だけは何も考えなくて済むようになるからね。で、そんな不安を打ち明けられる話し相手が欲しくて断酒会の機関紙を見て連絡を取った、ってわけなのさ。

 話は前後するけど、パチンカス女・ミカコと付き合うよりももっと前、オレはヨシコっていう名の女と付き合ってたんだ。不動産会社の受付のアルバイトや家庭教師をしながら、小学校の先生を目指している女だった。ヨシコもオレも、実は「想新の会」という宗教団体の信者だった。信者とは言っても、その頃オレは想新の会に対してはかなり懐疑的な気持ちを抱くようになっていて、実際のところ宗教活動なんてほとんどしてなかったんだけどね(そういう人は少なくないらしい。むしろ逆に熱心に活動している人の方がはるかに少ないという事を、オレは後になってネットを通して知ったよ)。想新の会では、「今の自分の境遇は、全て前世の悪い行いから生まれている」と信者を洗脳しているんだ、……つまり、例えば「毒親」の元に生まれてしまうのは、前世で自分が毒親だったからだ、と主張しているんだよ。そしてその前世の悪い行いの事を「宿業」と言っていた。んで、その宿業とやらを転換するためには想新の会の信心をして、まだ入会していない人も入会させて信心させる必要があると主張していたんだ。

 ……そしてそういう理屈で信者を洗脳して金儲けをしていたんだ。

 ……まるで鼠講のように、ね。

 現代人は嗜好が洗練され過ぎているせいもあって、み〜んな何かしらに依存しているようなところがあるけど、その中でも特に一番ひどい依存対象は、実は宗教なんじゃないかとオレは常々そう思っている。いや、適度な信仰心はむしろ精神衛生にも良いと思うんだ。年末年始に初詣したり、結婚式の時に神様の前で愛を誓いあったり、観光地へ遊びに行ったついでにその土地の神社仏閣にお参りしたり、……それぐらいならむしろ健全と言えるだろう。オレが言いたいのは、やり過ぎるのは良くない、って事なんだ。信仰心があまりにも強すぎると、その気持ちにつけ入って金儲けをしようとし始めるズルいヤツらが必ず現れるからだ。だってそうだろ、中世のヨーロッパでも、「天国へ行きたいならこれを買いなさい」と言って「免罪符」とやらを売りつけようとした神父だか牧師だかがいたって言うじゃないか。想新の会のやってる事って、結局のところそれと全く一緒なんだよな。

 オレがついうっかり想新の会に入信しちまったのは、まだ10代の頃、音楽仲間に勧誘されてしまったからだった。お世辞にもいい家庭とは言えない環境で育ったオレにとって、表面的にはアットホームに見える想新の会がものすごく温かく見えたんだよ。今になって思えば、オレの家庭があまりにも悪すぎたせいで、普通の家庭がものすごく良く見えていただけだったんだけどね。

 ヨシコと急速に仲良くなり始めたのは、オレの弟分が親元から離れてアパートを借りたいと言うんで不動産会社の事務所に付き添ってやった事がきっかけだった。すでに想新の会で何度か面識を持った事のあるヨシコがそこにいたんで、

「ああ、ここで働いてたんですね?」、と、いたってフレンドリーに話しかけたんだ。その時ヨシコは客がいないのをいい事にこっそり小説を読んでいたんだ。だからオレ、こう言って話しかけたんだ。

「実はオレ、ワープロで短編小説をいくつか書いているんです」って。そしたら、

「今度ぜひ読ませてください」って言ってくれたんだ。

 後日オレは当時愛用していたワープロで書いたオリジナルの短編を二つほどプリントしてヨシコに渡した。それぞれ、「午後三時の天使」と「いじめ撲滅委員会」というタイトルの小説だった。「午後三時の天使」は、自分の容姿を過信した整形美女の風俗嬢の悲喜劇を描いた物だった。もう一つの「いじめ撲滅委員会」は、いじめる側といじめられる側の立場を逆転させた小学生のシュールな活躍ぶりを描いたブラックユーモアだった。……自分の学校でいじめが起きているのにも関わらず何もしなかった校長先生を、「児童がただ普通に小学校に通う」、というきわめてオーソドックスな行為のみをもってして自殺に追い込むという非常にドSなオチの物語で、ヨシコはそれを大変気に入ってくれたんだ。

「超笑った!」ってね。

 ま、そんなこんなでヨシコとの交際が始まったんだわ(オレの書いた小説を読んでくれた事のある人なら誰しも、「確かに君なら商業的に成功できるかどうかは別として、文学好きの女の子を落とすぐらいの物は書けるだろうね」と、認めてくれるんじゃないかという自負はある)。でも、彼女とはあまり長続きしなかったんだ。ヨシコはとにかく気の強い女でさ、オレ、疲れちまったんだよ。ヨシコは父親が想新の会を支持母体にしている公民党の市議会議員だった事もあってか、自分の事をどうも「サラブレッド」だとでも思っていたみたいで、喧嘩した時に「あたしは有名人なのよっ!」とかなんとかほざいた事もあったしね。本当、可哀想に、実はカルト教団・想新の会にいいように騙されて金をボッたくられている哀れな「仔羊」だとも知らずにさ……。それ以外にもオレの気持ちをちゃんと分かってくれようとしないようなところがあったんだ。彼女は大学時代に心理学を専攻していたらしいんだが、その割には依存症に対する理解がなくてさ、オレのように、本心ではやめたいと思っているのになかなかやめられない人の気持ちをあまり正確に察してくれないようなところがあって精神的に参っちまったのさ。その頃のオレはまだそこまでひどい酒飲みではなかったんだけど、反対に当時はまだタバコを喫っていた。またいつかは東京or神奈川へ帰りたいとボンヤリ思っていた事もあって、まだ車の運転免許証を取得してもいなかった。オレがタバコをやめたのは、実は車に乗るようになってからなのさ。タバコをプカプカらなくなった代わりに、マフラーから煙がプカプカ出るようになっちまった、ってわけよ。それにさっきも言ったようにとにかく洋服を買うのが大好きで、ヨシコはヨシコで、オレのそんな所が嫌だったみたいだけどね。ま、とにかく、彼女は大学で心理学を学んでいたにしては依存症に対する理解度が低かったようにオレには見えたんだ。

 でも、断酒会の人たちの対応はヨシコのそれとは明らかに違って見えたんだ。

「本心ではお酒をやめたいと思っているんだけどやめられない」

 という一見矛盾しているようにしか見えない気持ちをちゃんと正しく理解してくれるんだよ。こればっかりはもう、学があるとかないとかいうよりは、経験があるかないかという問題なのかも知れないな。とにかくその断酒会では、「言いっぱなしの聞きっぱなし」「批判やお説教は一切ナシ」というルールが徹底されていて、たとえどんなにひどい酒害体験を話したとしても、決して反論やお説教をされる心配がないから、話す方は安心してそれを話せるという利点があるんだ。想新の会とは偉い違いだよ。ヤツらはみんなそう、まるでサイコパスのようにすぐに「それは違う!」と相手の話を遮って、自分の言いたい事だけをズケズケ言うからね、それも想新の会に洗脳された主張の受け売りを。……そう、受け売りだからさ、九九をそらんじる時と全く同じように考えなくってもオートマチックにスラスラ喋れるんだよ。反対にこっちは考えながら話をしているからどうしても後手に回って不利になる。実際にはそうやって相手を追いつめているだけなのに、それで「論破」したと思い込んでいるんだぜ、想新の会のヤツらは。頭おかしいよな。しかも、実際にはそうやって自分の言いたい事だけを一方的に主張しているだけで話なんてぜんぜん噛み合っていないのに、それを「対話」だと思い込んでいるんだ。話にならねぇよ。……オレが想新の会をやめたのは、そういうのが嫌だったからでもあるんだ。自分の生まれた境遇は前世の業に因果があるだなんてどうしても思えなかったし、むしろ逆に人間は生まれ育った家庭環境の影響を受けやすいと考えてもいたしね。事実、親がアルコール依存症だと子どももアルコール依存症になりやすいというのは統計的にもハッキリ分かってるわけだし。

 ここで一つ、アルコール依存症という言葉が出てきたついで、断酒会という団体が具体的にどんな活動をしているのかについて大太に詳しく説明しておこうと思う。

 オレら人間たちが、やれ「地区市民センター」やら「生涯学習センター」やらと言った名前の建物をいくつも所有しているのは、猫の大太もよく知っているよな。まれにそこで愛玩動物の里親会とかをやっていると聞いた事もあるし、きっと大太も仲間たちから聞いた事があるだろう。オレらアルコール依存症者たちはそこに集まって「例会」というものに参加するんだ。そしてさっき言ったとおり、酒害体験を、「言いっぱなしの聞きっぱなし」「批判やお説教は一切ナシ」というルールを徹底的に厳守した上で語り合うんだ。

「そんな事をしてなんになるの?」と思うかも知れないけど、酒害体験を掘り起こして過去の自分を率直に語る事って、実はすごく重要なんだ。

 ……もう二度と酒を飲まないようにするためには、ね。

 酒を飲んでやらかしちまった様々な失敗を率直に語る、そして他人の話にもじっくり耳を傾ける、また傾ける事で自分の新たなる酒害体験を思い出し、そして深く掘り起こす。これを繰り返す事でもう二度と酒を飲まないという強い意思を確認し合って、そして幸福な暮らしを続けよう、というのが断酒会の活動なんだ。実際、けっこうものすごい話を色々と聞かされたよ。

 ……家族から「飲み方が明らかにおかしい」と言われて精神病院に強制的に入院させられたとか。

 ……そしてその病院の中にある檻のついた部屋に入れられて隔絶されていたとか。

 ……しかもその檻の中はトイレが剥き出しになっていてプライバーもへったくれもなかったとか。

 ……奥さんに暴力を振るった事を次の日の朝にはケロっと忘れて、その奥さんに、「顔の傷、どうしたの?」、と神経を逆撫でにするような質問をして離婚を言い渡されたとか。

 ……詳しい事は言えないけど、警察の世話になったなんて話もあったな。

 こういった様々な酒害体験を、さっきも言ったように「言いっぱなしの聞きっぱなし」「批判やお説教は一切ナシ」というルールを徹底的に厳守した上で語り合うんだ。

 もちろん、オレもそこで自分がその頃昼間から飲むようになっている事をみんなに話したよ。んで、

「医者にかかったわけでもアルコール病棟に入ったわけでもないんだけど、僕は自分の事をアルコール依存症だと思っているんです」って結論したら、皆からこう言って褒められたんだよ。

「アルコール依存症は否認の病って言われていて、みんなその事をなかなか認めようとしないんだよ。なのに君はそれを自ら認めるなんてすごい!」ってね。

 ただ、残念な事に、当時のオレはみんなの話を、それほど真剣に聞いてはいなかったんだよ。むしろ逆にどこか他人事のように聞いてしまっていたんだ。

「オレはそこまでひどい酒飲みじゃないし、アルコール病棟に強制的に入院させられた事もないし」ってね。今になって振り返るなら、いわゆる「耳クソ」が取れなかったんだよな。

 ……実は全くもってして、他人事ではなかったのに……。

 ……オレだってあの時点ですでにもう、立派なアルコール依存症だったのに、ね……。

 そんなこんなで、オレはしばらくの間こそ断酒会の例会にオブザーバーとして参加し続けたんだけど、次第に足が遠のくようになっていったんだ。



 ……昔まだ親と一緒に暮らしていた東京はF市の市役所から、親父が生活保護を受けているって連絡を受けたのは、まさにちょうどそんな頃の事だったんだ。

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