第15話 証人として
しばらくして警察が訪れた。警察は手際よく
「淡白な対応……」
「……警察も1つの問題にかかりきり、というわけにはいかないんでしょう」
「……そうだね……」
「……どうでしょうね……私は、まだ
素直な人だ。だからこそ安心できる。
今、2人は職員室のソファに座っていた。
少しずつ職員室に人が増え始めていた。
「……今回の事件のこと……もう伝えたんですか?」
「それは教員に? それとも生徒に?」
「どちらも、です」
「教員には伝えたよ。それと……今日は休校。朝早くから学校に来てた生徒には帰ってもらったし、門も閉めたから。今日のところは生徒が入ってくることはないよ」
門には事情を知っている教員を配置して、登校してきた生徒たちを追い返してもらっている。
「一応緊急連絡先に、今日は休校だって連絡も送ってる。休校の理由は伏せてあるけどね」
「じゃあ……私も帰ったほうがいいですかね」
「それはダメ」明確に引き止める。「……あなたは直接見てしまったんだから……ショックも大きかったでしょう?」
「……それは……そうですけど」
大人びて見える
「落ち着くまで、ここにいていいよ」
「……ありがとうございます……」
……
やはり彼女もクラスの仲間に入れてあげなければ。そうすれば……いつかこの傷だって癒えるだろう。
さて……
そう思っている
「あ、あのう……
「わかりました」
「ああ……ごめん……校長1年生だから緊張しちゃって……」
この校長先生は今年から校長になったのだ。前年度までは他の先生が校長をやっていたのだが、異動になったらしい。
というわけでこの頼りにならないのが現在の校長である。もっと自信を持ってくれたら従いたくなるのに……
ともあれ職員会議が開催された。
学校の教員たちが雁首揃えて職員室に集結。数人は緊迫感のある顔。そして数人は『俺には関係ねぇだろ』という顔をしていた。
……他のクラスとはいえ仲間が殺されているというのに、そんな顔するな。腹が立つ。
会議が始まる直前、
「私……ここにいないほうがいいですよね……」
「いてもらって大丈夫だよ。聞かれて困る話はしないから」
「……ですが……」
「逆にいてもらったほうが安心かな。この会議の証人として、ね」
それから……
職員会議スタートである。
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