第3話 クラスメイトに告白したとか
青春、仲間というものは素晴らしい。
クラスの中にいるすべての生物は仲間であるべきだ。みんな仲良く、他愛もない世間話で盛り上がれるうような関係であるべきだ。それが
だからこのクラスに来た最初の自己紹介で、
その願いは半分以上は叶っている。
だけれど、もちろん全員ではない。まだ友達になれていないクラスメイトも存在している。
「
黒髪ロングのクールビューティー。メガネが似合いそうな知的な表情。スラッとし体型に長い手足。モデルみたいな美人。それが
あれほどの容姿があればクラスの人気者になれそうなものだが、なぜだか彼女は孤立気味である。ずっと教室の端っこで読書をしているような生徒だ。
「……
「どんな本を読んでるんだろう……」
しかし
「あんな根暗女、やめとけよ。仲間に入れたって空気が悪くなるだけだ」
「そういう言い方、良くないよ。私は言ったよね。クラスのみんなと友達になりたいって。その中には当然、
「……」
わかってくれたならいい。
「でも……
「そんなことない」
友達と楽しく会話して楽しくな人はいない。それが
「私……
「友達とは言ってもね……」
「キッカケがないだけだよ。こっちから動けば……きっと友達になってくれるよ」
少なくとも動き出さなければ始まらない。
とはいえ直接話しかけても、ただただクールに対応されるだけだ。ならば外堀から埋めに行こう。
「
「2年のときのクラスメイトとは、結構仲が良さそうだ。
「
「ああ……なんか、そんなのあったな……」
自分のいないうちに素晴らしい青春のイベントがあったらしい。なんとも羨ましいと
しかし
とりあえず疑問を口にする。
「競技大会って何?」
「
「う……ごめん……あんまり下調べとかしないタイプで……」
直情型で一直線なのが
「それで……競技大会って?」
「要するに体育祭とか文化祭のパワーアップバージョンだよ。何日もかけて、自分の得意分野で競い合うんだ」
「得意分野……?」
「そうそう。一般的なスポーツ種目からクイズ大会、ゲーム大会とか……とにかくいろんな種目があるよ。この学校の関係者なら参加資格があるから、
そんな面白そうな大会があるとは知らなかった。
にわかにテンションが上って、
「じゃあ、みんなでなにかに出場してみようよ」
「それもいいかもね。クイズ大会とか大所帯でも出場できるらしいから、狙い目だと思うよ」
というわけで青春の一大イベントが始まる予感がした。
クラス全員でクイズ大会に出る。それが今の
そのためにも
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