茉莉ちゃん その1
第2話 みんなと友達になりたい
―――――――――
「やっぱり高校生って時間を勉強だけに割くのはもったいないよ。恋愛とか友情とか、もっと青春って感じの事柄に目を向けないと」
そう教室の中で言ったのは、長身の男子である
彼が話し始めると、教室の中が明るくなる。要するにムードメーカーであり、このクラスのトップカーストに君臨している男子生徒だ。
「勉強勉強、それだけが青春じゃないよ。もっと俺たちは遊んで過ごすべきだと思うんだよ。なぁみんな」
呼びかけに反応したのは、
真面目で勉強ができそうな雰囲気の
「
「そんなケチなこと言うなよ。なぁ
いきなり話題を振られてドキッとしてしまう。
とはいえ、新参者の自分にもこうやって話題を振ってくれる
「そうだね……勉強だけが青春じゃないと思うよ」
「ほら
調子に乗る
「まったく……
「そんなことないよ。私は……みんなのことを平等に好きだよ」気持ちは素直に伝えておくべきだと思った。「私みたいな新参者を受け入れてくれて、ありがとね。本音を言うと……新しい学校に来るっていうので、怖かったんだ」
それは
この学校に馴染めなかったらどうしよう。仲間外れにされてしまったらどうしよう。そんな事ばかり考えてしまう。
「なに言ってんだよ」
「……ありがとう……」
心の底からお礼が言える。
彼の笑顔をもっと近くで見たい。もっと長く見たい。そう思ってしまう
「このクラスはみんな友達だろ?
クラスに居る生物はすべて友達。それが
そしてその理想を受け入れてくれたのが
自分は最高の仲間に囲まれている。このクラスのみんなは仲が良く、
このまま青春が続いてほしい。10年でも20年でも続いてほしい。
そう
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