その花はまだ枯れていないと思った
嬉野K
出題編っぽいなにか
私 その1
第1話
私 その1
―――――――――
そうだ殺してしまえばいいんだ。
私がそう思ったのは高校3年生の夏のことだった。
それはとても素晴らしい考えに思えた。まさに一発逆転。私の失われた青春をすべて取り戻す、究極の解決法に違いないと思った。
私はなにを迷っていたのだろう。青春を取り戻すには行動するしかない。
まずは計画を練ろう。時間をかけてゆっくりと、完璧な計画を作り上げよう。
☆
しばらくして計画が完成した。
完璧な計画だった。これを実行するだけで私は完璧な青春を取り戻すことができる。
最後に必要なのは探偵役だ。優秀な探偵である必要はない。無能で扱いやすい、それでいて言葉に説得力がある人物。
クラスに適任がいる。その人に任せよう。調子に乗っているあいつには無能な探偵役がお似合いだ。
さぁ始めよう。焦る必要もない。失敗することもない。これは私に与えられた当然の権利なのだから。
いつだって誰にだって青春を謳歌する権利があるのだ。
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