第14話 密室
その言葉を警備員の口から聞いて、
廊下を走るな、といつもは口を酸っぱくして指導しているが、今は緊急事態だ。廊下を踏み鳴らして教室までたどり着いた。
「
「……
「
抱きしめて安心させてあげようとするが、やんわりと拒否された。まぁしょうがない。
そこで
「
教室の端っこ……廊下側の端っこに
バラバラになっていた。頭も、体も、足も……バラバラに切り裂かれて、ゴミのように地面に捨てられていた。
「なんで……こんなこと……!」
そう叫ぶ
「あ、あの……僕は警察に連絡してくるので……」
言って、警備員はその場を離れた。おそらく
やがて振り返って、
「
「……」さすがの
「あ……そうだね」
配慮にかけていたと反省する。クラスの仲間の遺体なんて見たいものじゃないだろう。
教室の外に出た。その位置からは
「教室の鍵を開けて入ったら……
「……私じゃなくて警備員さんを……?」
「……すいません……こういうときは警備員さんのほうがいいだろうと……」
その判断は間違っていないだろう。少なくとも
それに……自分は
「たしかに扉は施錠されたの?」
「……はい……前の扉は鍵を開ける前に確認しましたし、後ろの扉も窓も……
冷静な人だ。クラスの仲間がバラバラにされていて、すぐに現場の状態を確認するとは。
「……私が鍵を施錠したのは……昨日の17時30分をちょっと過ぎた頃」とある生徒に数学の問題を教えていた。「それから……鍵なんて誰も開けてないと思うから……」
夜中に学校に忍び込んで職員室から鍵を取り出す。そんなことは不可能だろう。それを防ぐために警備員さんがいるのだから。
つまり……これは……
「……密室……」
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