第28話 理解できない
聞いたことのある声だった。誰の声だったか思い出す前に、私は背後から羽交い締めにされた。
「
「……
……そうだ……この声は
今……私は
「
「……手伝ってくれるの?」
「……は……?」
「
私が言うと、
「……なにを言っているんですか……?」
「だって……このまま
これから彼ら彼女らは受験をしなければならない。そのときに担任教員がいなければ困るだろう。
なぜか言葉を失った
「
「……なんで?」
「……私たちは……先生の青春を再現するためのコマじゃないんです。私たちの青春は私たちだけのものだ。あなたがどこでどんな青春を追い求めようと勝手ですけど……生徒に自分の青春を押し付ける人は、教師になんてなっちゃいけない……!」
……
私が私の青春を押し付ける?
友達と一緒に仲良く卒業する。クラスメイトと団結して一生懸命頑張る。それ以外の青春がどこにある。
「大丈夫だよ
「……?」
「ちゃんと私が導いてあげるから」
「……」
それはこっちのセリフだ。私には
……
言葉が理解できないのなら、やることは1つしかない。
「ごめんね
言って、私は
「――っ……!」
拘束が外れたのを見計らって、私は
2人とも殺せばいい。そうだ……遺書の中では2人は恋人だったことにしてあげよう。
そう思って
「
……
……次の瞬間……
景色が一回転した。
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