第12話 生徒と教員は
学生はこれから家に帰って宿題やら予習やら復習やら、遊びやら人付き合いやらをしなければならないのだろう。高校生も大変なものだが、高校教員はもっと大変だ。
さて人の少ないところはどこだろう。しばらく廊下を歩いて、結局は校舎裏に移動した。この時間帯でもまだ生徒が多かったので、校舎の中では目立ってしまう。
校舎裏は少し肌寒かった。今日はこの時期にしては寒いな、なんて思いながら
今の若者は、この機器を当然のように使いこなすのだ。まったく最近の若者は成長速度が著しいな。
おぼつかない手つきでスマホを操作して、先程記憶した電話番号に発信する。
数回のコール音が鳴って、
『はい、
「突然ごめんね」
『……』
「そうだよ」できる限り優しい声音を心がけながら、
『変わりはありません。不満もありません』
「それは本心?」
『……私がクラスで孤立しているのは、それを私が望んでいるからです。クラスメイトも、それは理解してくれてると思いますが』
「でも……」
『……前にも言いましたが……私は、生徒と教員は一定の距離感を保つべきだと思っています。友達という関係ではなくて、しっかりと上下関係を明らかにすべき。それが私の考えです』
相変わらず真面目なことだ。最近の若者にしては珍しいと思う。
「うーん……」この堅物を、どうやって切り崩すか。「とりあえず……明日、直接お話してみない? 朝の……誰もいない教室で。それだったら本心が話せるかもしれないよ」
『ですから私は――』
「明日の朝6時。教室で会おうよ。その時間なら誰もいないから。職員室にいるから呼びに来て」
『……あの……先生……』
「朝が早くて嫌なのはわかるよ。でも……こういうのは早いほうがいいと思うんだ。ほら……
『……』
「大丈夫。私がなんとかするから。明日からは
『……えっと……』
「お礼はいらないよ。じゃあね」
伝えることは伝えて、
少し強引なのは理解している。しかし時には強引さも必要なのだ。相手が歩み寄ってくるのを待っているのでは間に合わない時がある。
ともあれ……明日の朝6時。
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