解答編っぽいなにか
第23話 何度も言いますが
上の空のまま、本日の授業は終了した。
どうしてだろう? どうして彼女は担任教員を疑うのだろう?
思えば
わからない。読めない。あの人の行動だけは読めない。常に彼女は私の想定外のところにいる。
……
……
だからこそ
やはり自分は
「……なら行動するしかない……」
強引にでも。
夕日が眩しかった。何度か見失いそうになりながらも、なんとか尾行を続行する。
やはり体力が落ちている。見つかってはいけないという緊張感があるにしても体力の消耗が激しい。また熱中症で倒れないように注意しなければ。
尾行に気が付かない様子のまま、
相変わらず歩くだけで絵になる人だった。その美しさに何度嫉妬しただろう。
しかし今日でそれも終わりだ。
尾行を続けているうちに、
「……?」
狭い路地裏を進んでいくと、開けた場所に出た。
そこは行き止まりだった。路地裏の行き止まり。太陽の光もあまり差し込まない、冷たい空間だった。
行き止まりに
……
誘い込まれた、と気がついたときには遅かった。
「こんにちは」
行き止まりで振り返った
すべてを見透かされているような感じがした。この目を見ていると吸い込まれてしまいそうだった。
「び、尾行なんてしてゴメン……でも……どうしても
一生懸命頭を下げてお願いすれば、
「ねぇ……友達になろうよ。私のこと、
冷たい目線が返ってきた。この場所の空気が冷たいこともあって、
「どうして……?」
本当はそれだけだったのかもしれない。それだけのために行動していたのかもしれない。
……
やがて……
「……何度も言いますが……私は教師と生徒は適切な距離感を保つべきだと考えているんですよ。蕃茉莉先生」
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