茉莉ちゃん その2
第20話 くだらない?
―――――――――
クラスの仲間である
そのことがクラスに伝わったのは、翌日の朝のホームルームの時間だった。
教室は静まり返っていた。いつもの和やかな雰囲気は一切感じられなかった。
そのことを聞いて、数人が息を呑んだ。女子生徒の中には口を抑えて吐き気をこらえている人がいた。
それも当然だろう。クラスの仲間がバラバラにされていたのだ。それくらいのショックを受けるのが当たり前である。
「誰がやったんだよ……! なんでそんなこと……!」
「落ち着いて……!」
「だが……」
「……誰が犯人でも、嫌だ……」クラスの誰かが犯人だなんて考えたくもないのだろう。「……きっと……部外者が入ってきたんだよ。その部外者に
このまま犯人探しなんてしなくて、なんとなく事件を終わらせる。それも可能なのだろう。むしろ正着手かもしれない。
だけれど……
「犯人は見つけるよ」
「
「みんなで話し合えば、きっと大丈夫だよ」
クラスの団結があれば乗り越えられるハズだ。
「話し合う必要なんかねぇよ。犯人なんか……すぐわかるだろ……!」
「
「証拠? 証拠ならあるだろ。夜中には誰も教室に入ってなくて、最初に教室に入ったのが
「だから部外者が入ってきて……!」
「窓も割らずに、どうやって入るんだよ……! お前、
「い、今はそんなこと関係ないよ……」好きなことは否定しないようだ。「とにかく……
クラス中の目線が
「……私はやってない……」
「そりゃお前……推理小説に憧れて、とか……」
「じゃあ格闘ゲームが好きな人は、ケンカに明け暮れるの?」
「……」
「そう……私もわからない。なんで犯人は
つまり……もしかして犯人に心当たりがあるのだろうか?
「そうだ……事件を起こして、自分が解決する。そうやって褒められたいんだろ? そうしたらクラスの仲間に入れてもらえるかも、仲良くなれるかもって……」
それを否定したのは
「そんなくだらないことで、クラスの仲間を殺したりしないよ」
思わず
「くだらない? そんなことないよ。クラスの仲間に入りたいって思うのは当然のことだよ。そのための行動を……くだらないなんて言わないで」
「え……あ、ごめん
怖がらせたかったわけじゃない。
「……私だって
「だったら誰なんだよ……! 誰が犯人なんだ……! やっぱり
「やめてよ
クラスの空気はもはや最悪だった。誰も言葉を発せられなくなるほど重苦しい空気に包まれていた。
そんな中、
「……自分の身の潔白は、自分で証明するよ」
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