私 その2

第10話

 私 その2



 ―――――――――



 やった。やった。やってやった。はやってやった。


 心臓が爆発しそうだった。呼吸が苦しかった。それほどの達成感があった。


 私は死体を見下ろして、自分が計画を成し遂げたことを実感した。


 死体はバラバラになっていた。足と体と頭がちぎれて、地面に転がっていた。


 当然だ。私がバラバラにしたのだ。切断してやったのだ。少しばかり大変だったが、青春を手に入れるための必要な犠牲だ。


 さぁ、あとは無能な探偵役の出番だ。


 私はやり遂げた、成し遂げた。無能な教師共は私の犯行に気が付かない。今も自分の仕事に追われていることだろう。


 私の計画は完璧だ。これで……私は私の青春を手に入れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る