第38話 もう良いよね?

『ソウタ、もうそろそろ良いよね?』


何故か下着を脱ぎ始めたコルネット。

肌を隠す布が取り払われ、双丘があらわになる。


「え?どうしたのコルネット…裸になって…」


思わずキレイな肢体に目が釘付けになる。

しばらく見惚れていると。


『ソウタ、えっちしよ?』


「え…?急にどうしたの…」


コルネットは顔が真っ赤になっている。

ドキドキドキ…動悸が止まらない。


「な、何を言ってるの?そ、そういうのは、結婚してからじゃないと駄目だと思う。古い考えかもしれないけど…」


変な汗が出てきた。

魅力的なお誘いだけど、ちょっと落ちつこう。


「ふう~」


僕は深呼吸をする。


『……じゃあ、結婚して?今すぐに』


「え?」






コンコンコン。

ノックの音がした。


「お戻りになられたのでしょうか?食事の準備が出来ております」


メイドさんの声。

執事やメイドさん達にも、僕たちが転移魔法を使える事を伝えてある。

勿論今日の事も。


「ご、ご飯できたみたいだからさ、食堂へ行こ?」


『うん…』




   *




僕たちは階段を下りて、一階の食堂へ行ってみると。


「わあ~」

『凄い豪華ね』


今日の食事は豪華だった。

鳥の丸焼きや焼き魚とか。

その他にもケーキやフルーツ。

食べきれないほどの料理が並んでいた。


「今日何かの記念日だっけ?」


「ソウタ様、本日男爵になられたとの事でお祝いで御座います」


執事のマルロが言った。

ああ、そっか。

僕が貴族になったお祝いなんだ。

コルネットと二人きりだけど豪華な食事。

ちょっと勿体ない気がした。



   *



わたしは下着を脱いで肌をあらわにした。

ソウタを誘ってみたのだけど…少し気持ちが焦っていたのかもしれない。


最近エミリアさんが屋敷に住むようになった。

大人っぽい黒髪の美しい女性。

ソウタに何かした訳では無いけれど、ともかく不安で一杯だった。


だから関係を少しでも進めておけば…安心出来ると思っていた。


「そういうのは、結婚してからじゃないと駄目だと思う」


ソウタに言われてしまった。

わたしの事を嫌いなのでは無いのだろうけど不安になる。

わたしは変なのだろうか?


王城へ行ってフェミニアに相談に乗ってもらっていた。


「コルちゃん、そんな事ないわよ。私もきっと不安になるわ。領主のお仕事…女性が教えてるんだ…」


フェミニアは親身になって聞いてくれた。


「派遣する前にアルトに訊いておけばよかったかしら…」


フェミニアはアルトを掴まえて訊いていた。


「え?エミリアいもうとがソウタに手を出さないかだって?そんな事聞かれても…ぼくには解らないよ」


エミリアには現在恋人が居ないらしい。

作らないのかどうかは不明だけど。

それを聞いて、わたしはますます不安になってしまった。


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