第16話 冒険者ギルドで絡まれた2
「「おいお前!表に出ろ!」」
僕は男に付いて行った。
しばらく歩くと街の裏路地に来た。
人気が無い場所だ。
「おい、お前ら出てこい」
男が言うと物陰から3人の男が現れる。
僕を見てニヤニヤと笑っている。
「へえ、仲間がいたんですね…話し合いは出来そうにないか…」
出来れば話し合って解決したかったのだけど。
表に出ろって言う時点で無理だったのかもしれない。
「怖気づいたか?お前ら適当にボコっとけ」
自分で喧嘩の相手すらしないらしい。
仲間に手を振って、男はその場を去った。
コルネットに接触するのだろう。
「おい、ガキ運が悪かったな。しかし…殴ったら直ぐ気絶しそうだぜ」
白い髪の男がパキパキと手を鳴らして近づいてきた。
「確かに弱そうだ」
茶色の髪の男が言う。
「……」
黒いマスクの男は無言だ。
「『身体強化』」
武術の心得が全くないので、自分に身体強化の魔法をかける。
相手が襲い掛かってきたが、不思議と目で追えるようになった。
攻撃を避けてみた。
結構ずっと避けられる。
「当たらねえ!ちょこまかと逃げやがって!」
プロボクサーにでもなった気分だ。
ふと思いついて、手で白い髪の男の顔を殴ってみた。
白い髪の男は飛んで壁に激突する。
腕力も上がっているらしい。
「おお…」
威力に自分で驚く。
「痛ってえ」
白い髪の男が呟く。
「こいつヒョロヒョロしてるくせに意外と強いのか?」
茶色の髪の男が怯んだ。
マスクの男がナイフで切りかかってきた。
「『
僕は目の前に魔法の障壁を作った。
流石にナイフは当たったら痛いだろうからね。
パリン!
マスク男のナイフの刃が砕け散る。
「ちっ!」
マスク男はナイフを投げ捨てた。
あ、そっか。
まともに三人の相手をしなくてもいいのか。
「『
僕は催眠魔法を使った。
三人の男たちはその場にくずれ落ちる。
「はあ~っ。やっと終わった…」
異世界って結構物騒だな。
魔法使えなかったら僕やばかったよね?
*
「先ほどはどうも…オレはミヤマ。一緒に話しねえか?」
俺は小僧を裏路地に置いてギルドへ戻ってきた。
仲間が痛めつけてくれているだろう。
「貴方も懲りないわね…」
突き飛ばした三つ編み眼鏡の少女が割って入る。
また邪魔をしそうだな。
さて、どうするか。
「じゃあ、眼鏡の君も一緒でいいぜ?」
『う~ん』
考えている彼女。
悩む姿も良い。
『やっぱり無しで。直ぐソウタが戻ってくると思いますので…』
小僧を帰ってくると信じてるあたりお嬢様だな。
今頃、大怪我をしているだろうに。
『彼は大丈夫です。滅多にやられたりしないので』
え?
この女、何を言っている?
俺の心を読んだとか…まさかな。
「ただいま」
『おかえりなさい。ソウタ』
「お、お前?何故来れた?」
ギルドの入口に小僧が怪我も無く立っていた。
仲間は一体どうしたんだ??
「道端で寝てもらったよ。早くいかないと風邪引くかもね」
「ま、まさか?」
オレは慌てて、外へ飛び出した。
裏路地へ行くと仲間たちが眠り込んでいた。
揺り起こしても起きない。
睡眠魔法か?
「本当に寝てやがる…あいつ魔導士か?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます