八百屋ダンジョンと幽体離脱
まりも緑太郎
プロローグ 失踪した叔父の置き手紙
この手紙を読んでいる誰かへ(たぶん翔吾だと思う)
まぁ理由はアレだ。お袋は畑に夢中だし、お前の父であり俺の兄貴のカズは仕事が忙しい。
ユミさんはめんどくさいとか言って、暇な高校生のお前に丸投げなんだろ?
ということで翔吾、俺はしばらく旅に出る。行き先はこの手紙が貼ってあったドアの先、いわゆるダンジョンというところだ。
まあそこまで危険はない。だから大して心配なんてしなくていいと思う。
まあ念のため1年くらい帰って来なかったら、そん時に考えてくれ。
話のついでにこのダンジョンについて話しておく。
ここはまだ行政に届け出ていないヤミのダンジョンだ。コレから先も届け出る事はやめてほしい。
何故なら『10人以上の人が入ると崩壊する呪いをかけた』からだ。
はっきり言うと長い間俺1人しか入らなかったせいか、このダンジョンは妙な成長の仕方をしている。
例えば、魔物を倒した時も、世間の他のダンジョンみたいに魔石は落とさない。最初のうちはドロップアイテムも野菜だし、出てくる魔物も何処か野菜っぽい。
だが、イケない妄想全開の高校生男子なら、嬉しい何かが貰えるかもしれん。
楽しみにしとけ。
最初の2〜3層はちょっとした怪我はしても命の危険はないだろう。店のその辺にあるスイカ包丁かシャッター棒を武器にすりゃなんとかなる。
あと箸とかトングとかピンセットのどれかを持っていったほうが良い。
それと、お前の冒険者登録は後からなんとでもなる。
翔吾の冒険者人生に幸あれ。
追伸、高校生は馬券を買えない。それだけは覚えておけ。
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