第17話 ラッキース〇ベ
奥の方から何やら争っているような声が聞こえてきた。
「何だ!? 誰か魔物と戦っているのか?」
気になるが、俺には重い足枷が付いてるからな。
できれば、無駄な体力を使いたくない。
そう思い、声のする方を座って何とはなしに眺めていると、徐々に喧騒が大きくなってくるのに気づいた。
「おいおい……まじかよ、できればこっちに来てほしくないんだけど……」
と、面倒事に巻き込まれたくない俺だったが、その心配をよそに何かがこっちに真っすぐ向かってくるではないか。
目を凝らして見ると……。
「なっ!? 女の子……だと!?」
紅いゴスロリ調のドレスをまとった栗毛ツインテールの少女?
それがスカートの裾を上げながら、こっちに必死な顔で猛然と走ってくる。
「こわっ! 何!? どした!? でも……かわいいかも……」
その少女の可憐さにドキンとするのも束の間、彼女は勢いを緩めることなく、ぼぉっと座っている俺の頭上を華麗に飛び越えていく。
その時、頭上から、ふんわりと花の香りが。
彼女は見事に着地すると、振り返りざまニコリと魅力的な笑顔で、「あとヨロシクねっ」という謎の言葉を置き土産に、そのまま颯爽と走り去ってしまった。。
「ピンクだった……今日は何かいい事ありそうだ」
俺はそう独りつぶやいた。
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