第14話 ステータスオープン!


 俺は転移前に女神パルルの言っていたことを改めて思い出してみたが、大した情報は無さそうだ。


「……だめだ、俺の能力を知る方法のヒントが何も無い。あっ! そういえば肝心のスキル貰ってないじゃん!? モテモテになるスキルとか、服が透けて見えるスキルとか、透明になれるスキル欲しかったのに……うぉぉぉっ」


 思い出したら、だんだんパルルに腹が立ってきた。


「ん? いま気づいたが、あの時パルルが言っていた『特別なあるもの』って、この足枷じゃねぇかぁぁぁっ! くっそぉっ、スキルじゃなくて足枷付けられたぁっ!」


 俺は、さらに腹が立ち、鎖にガルルゥと噛みついた。


「そうだ!? 試しに異世界とかゲーム世界で定番のアレやってみるか!」


 何で今まで試さなかったのか……俺のバカバカっ。

 最近まで、残業残業で疲れ過ぎて、ライトノベル読んだりゲームするとかほぼ無かったからな。


「よしっ、ちょっと恥ずかしいが、あのワードを言ってみるか……」


 緊張するなぁ……。


 喉が渇いて、水が欲しくなった。


 もし、何も起こらなかったらどうしよう……恥ずかしいだけじゃん。


 誰も聞いてないよな……。


 ええいっ、俺も男だ!


 両腕を大きく広げ、大きく息を吸い、瞳を閉じる。


 いくぞっ……




「ステータス! オープゥゥゥゥゥゥンンンンン!!! げほっげほっ」


 ダンジョン内に大きく響き渡る俺の声。

 ちょっと気負い過ぎて、むせてしまった。



 その時だ――


 

 プンッという音と共に、半透明な緑のパネルが確かな存在感をもって、俺の目の前に出現したのであった。

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