第3話 ツンツン


 俺はスキルを考えるフリをしながら、パルルをそれとなく観察した。


 全身からは清廉せいれんな雰囲気をかもし出しているがどこかエロい。

 透き通るブルーの瞳は大きく、愛嬌も感じる。

 口はぷっくりと小さめでツヤツヤとして魅力的だ。

 しかし一番気になるのは、薄くて白いひらひらしたドレスの下に、シルク生地らしいワンピースのインナーが透けて見えるのだが、豊満な胸がそれをグンッと押し上げているのが分かるところだ。

 胸元から垣間見える谷間が俺を誘惑しているようにも見える。


 ふむふむ、これは……なかなかにそそるものがある。


「あの……天斗てんと様? スキルを……」


 目を凝らして見れば、胸のいただき辺りにわずかに突起が見えるような見えないような……。俺は生唾をのみ込んだ。


「夢の中なのに、なんてリアルな……俺の妄想力もここまできたかっ……ナイスだ俺っ……グッジョブ」

「? あのぉ……早くご希望のスキルを……」


 なんかワクワクしてきた。


「そうだ!? 感心してる場合じゃないっ。夢が覚める前にまずはツンツンからはじめようじゃないかっ」

「ツンツン? ツンツンとはどのようなスキルなのでしょうか?」


 ふふ、ツンツンを知らないのなら教えてあげよう。


「ツンツンというのはだな、こうして両人差し指を前に出して……」

「……?」


 俺は魅力的ないただきを目指して慎重に照準を合わせる。ドキドキ。


 では……


「ココだっ……ツンツン……おほっ……もうちょっと上かなぁ……ツンツン……いやぁもうちょっと下だったかぁ……ツンツン……おっ!? イエスッ、ビンゴォッ! ツンツンツンツンツゥゥゥゥゥンンン! ピンボンピンポォォォンンン!」


 ふぅ……俺としたことが、夢の中とはいえちょっとはしゃぎ過ぎてしまったな。なぜか少々息が切れたわ。

 でも俺の人生で一番楽しかったかも。

 すっごく、ぽよんぽよんしてて、最高だった……。


 さてさて、次はどんなHなことしよっかなぁ。

 ワクワク。


「……コロス」

「えぇと……はい?」

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