第2話 女神パルル
甘いものが大好きな俺は、誘惑に勝てずピンクの大福にかぶりついた。
「むちょむちょむちょ……ゴクリ……うんまぁぁぁぁぁい!」
外側モチモチで中に甘過ぎないあんこ。さらに、あんこの中に果汁溢れる甘酸っぱい大きな苺がまるっと一個入っていた。
俺いちご好きなんだよねっ、異世界のいちごウマー!
夢中で食べ終わると、先程の戦闘の疲れが噓のように消失し、体力が回復したみたいだ。
いちご大福の効果か? 美味しくて体力も回復て最高かっ!
「意外とダンジョン楽勝じゃん……」
――数時間前――
「ん? ぬわっ!? 誰っ!?」
眩しい光に目を開けると、突然目の前に女の人の顔があったのだ。そりゃ驚きもする。
「ようこそ、我が世界、そして我がパルル神殿へ。
そうにこやかに話しかけてくるのは金髪が美しい絶世の美女。まるでファンタジーの世界に出てくる女神様のようだ。
「あの、どちら様ですか? 勇者? どういうこと!?」
俺は状況がのみ込めず、あたふたと周りを見渡すと、どうやら美女の言うように豪奢な神殿の中のようだ。
「失礼致しました、我が名はパルル。この世界で崇拝されている美しき女神です。
真顔で何言ってんだこの美女は。きっと夢だな。
あれ? そういえば俺いつ眠ったんだっけ? 確か俺は……高校卒業した後、入社三年目のブラック企業からの帰り、居酒屋で吞んだくれて……あと覚えてねぇ……。
まっいっか。きっと無事帰って俺んちで寝てんだろ。
せっかく夢の中にセクシーな美女がいるんだ。
楽しまなきゃ損ってもんだ。
俺は鼻の下を伸ばし、目の前の自称女神様を品定めすることにした。
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