第36話 もう一つの条件
「はぁ……分かったよ。その代わり条件が一つある」
真顔で俺がそう言うと、マカロンはパッと花が咲いたような表情で顔を上げた。
「我が国にできることなら全力で何でもしますわ。なんなりとおっしゃってください」
彼女は勢い良く立ち上がると、自信を見せる。
だがしかし俺は、はっきり断ると角が立つので、相手が絶対呑めない条件を提示しようと考えている。俺天才!
彼女は、いま笑顔だが、果たして俺の条件が呑めるかな? ふっ。
「では遠慮なく言おう。その条件とは……ハーレムだ」
ふふっ、どうだ絶対叶えられまい。
さあ、王女マカロン、そして侍女アイリス、俺を
そして、
さぁ、こいっ!
「いいでしょう、お安い御用です。本当にそれだけでいいのですか?」
「へっ? いいの? あのハーレム……だよ?」
予想外の返事に、間の抜けた震え声で聞き返す。
マカロンをまじまじと見るが、冗談を言っているようには見えない。
おいおい、君たちの国、フランベ王国どうなってるんだ!
ハーレムだよ? 勇者がハーレムを要求してるのよ? いいのか?
「もちろんですわ。英雄色を好むと言いますから」
「くっ……」
まずい、予想外の展開だ! この異世界はハーレムが容認されているのか。
ん? 待てよ……ハーレムくれるなら悪い条件じゃない気も?
いやいやだめだ、ハーレムは自分で作ってこそ楽しいんじゃないか?
「では、契約成立ですね?」
「い、いや、ちょっと待った! そう……も、もう一つ条件があったんだった!」
俺は、流されそうになる気持ちを無理やり押さえつけた。
「はい、何でしょう」
「それは……ツンツンだ!」
言った後ちょっと恥ずかしくなって俺の顔が熱くなる。
「……」
「……」
俺とマカロンの間におかしな空気と時間がそよそよと流れる。
しかし彼女の後方に控える者からは、とても不穏な空気をビリビリと感じるのは気のせいではないのだろう。
まずっただろうか……そう考え、笑って誤魔化そうとした時――
「い、い、い、いいわっ」
「いいんかいっ!」
驚いたことに、彼女は恥辱に耐えているのか、顔を真っ赤にして了承した。
そして、彼女は紅いゴスロリ服に包まれた小さな膨らみを、とても恥ずかしそうに少し前に突き出す。
覚悟ができたのか、彼女はツインテールを時折ピョコンとさせ、ぎゅっと閉じた目蓋を小刻みに震わせて言う。
「さ、さあ、やるなら、は、は、早くやってよね……」
「いや、ツンツンしたいのはおまえじゃなくて、侍女アイリスの方なんだが……」
俺はマカロン越しに、膝をつきクールに俺を見つめるアイリスのたわわに実ったお胸を眺めて、つい鼻の下が伸びてしまった。
あれはマジ、神乳だな。まさか、本当にツンツンできるなんて……夢のようだ。
俺が勇者バンザイ! とウキウキしていると、眼の前に鬼が現れた……。
「ひゃっ」
「コ、コロス……」
その後、俺は
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