第16話 功罪の足枷


 さて……問題は功罪の足枷あしかせだ。どう見ても、この鎖のついた鉄球だよな。まさか、ここまでヤバい代物とは。


 『罪を犯すと鉄球が重くなる』というのは、ヤバくないか?

 もし俺が殺人を犯したら鉄球は、どんだけ重くなるんだ?

 人の命は地球よりも重いって言葉があったような。

 地球の重さってどんだけだよ……。


「こわっ!」


 うん、異世界とはいえ、殺人だけはしないようにしよう……。

 

 それから……特殊武器としての使用も可能か。

 これは鉄球を頭とかに叩きつける以外にも使えるってことか?

 鎖を持って鉄球を振り回すとか?

 いや、俺がふつうに振り回されそうだし、特殊でもなさそうだ。


 そんなことよりも、一番の問題は、『この足枷を付けている限り流刑地から出られない』ってやつだ。

 しかも外す条件は○○○○○○○○? 何だこれ……。


「パルルは俺をどうしたいんだ! せめて足枷を外す条件を教えやがれってんだっ、くそっ」


 俺は怒りで拳を地面に叩きつけた。


「ぐぁっ、痛ぃってぇぇぇっ! もうパルル赦さん! とっとと、足枷外してダンジョン出たら、パルルに復讐してやるぅぅぅっ、待ってろパルルゥゥゥ」


 そう、息巻いているところ――


 奥の方から何やら争っているような声が聞こえてきた。


「何だ!? 誰か魔物と戦っているのか?」

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