第19話 大ピンチ


「あれは……ゴブリンの集団か!? それに……何だあのデカい一匹は……黒ブタじゃない……黒いオーク!?」


 おいおい……マジかよ。


 パンサーが低層階て言っていたから油断していたが、いきなりハードモードじゃんか……。

 

 そういえば、パンサーとザックはどうした?

 見ると、少し離れた壁際付近で仲良く寝ていた二人は、ちょうど目覚めたところの様で、このヤバイ状況に気づいたのか、何やら叫びながら慌てて逃げ出して行った。


「おいおい、みんな俺を置いて見殺しかよ。にしても、この状況どうみても詰んでいるのだが……」


 そう絶望しているところ――


 フガァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!


 俺を見つけ興奮したのか、黒オークがダンジョン一帯を震わせる程の咆哮をあげ、それに呼応するように緑色で醜悪なゴブリンの群れが、こちらへ一斉に殺到して来た。


「俺終わた……くっそぉっ、こうなったらやけくそだ! 一匹でも多く道連れにしてやる、みんなまとめてかかってこいやぁぁぁぁぁっ!」


 こうして、戦いの火蓋が切られた――

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