概要
連敗で目立ちたくはなかった
冬染健太、22歳。ようやくプロ棋士になったが、デビューしてから1回も勝てない。研究内容を忘れているような気がするが、周囲からは「気のゆるみ」と言われる。とにかく1勝を目指す健太だったが、どうしていいのかわからなくなる。
読んでいただきありがとうございます。
これからも良いものを書いていけるよう精進します。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ひりつく、負け続きの生き様。
この作者様の「確率」シリーズを、私が初めて読んだのは「四割・八分・九厘」。
そのときから、淡々とした文章に対し、その中に「生きている」感覚を胸に迫るほど感じさせるものでした。
そして本作、「0割0分0厘」もまた、そういう作品でした。
それはあるいは、私がそれと分からないほど恐ろしく洗練された技巧によるものかもしれません。
目を惹く美しいセンテンスがあるわけでもなく、ケレン味あふれる派手な展開があるわけでもなく、なのに引き込まれて、すとんと入っていく。
「四割・八分・九厘」のレビューでも似たようなことを書きましたが、それはどんな場面でもただ駒をひとつ動かすだけという、将棋指しの所作に似ている…続きを読む