絶望案内人

手塚治虫さんの怪談集や笑うせぇるすまんといった『黒い物語』を彷彿とさせる短編集。
言葉の選び方が巧みで、物語の中に引き込まれていきます。文章が詰まっていて読み応えもバッチリ！
１～２話で一つの話が終わるので、時間がない人でも少しずつ様々な物語が楽しめます。

人生いろいろ、人間もいろいろ。
人の欲望は無限大で、絶望の形も無数に存在する。
立派な足がついていてもどうしても肝腎要のはじめの一歩が踏み出せない。
そんな時は、心の中で彼女の名前を3回唱えてください。そうすれば、いつもの銀髪に素敵な笑顔を張り付けた彼女が目の前に現れて、素敵なプレゼントを見繕ってくれるでしょう。そして、その贈り物によって同じ場所で地団駄を踏んでるでしかないあなたを必ずや素敵な所へ案内してくれること請け合いです。
え、私もそんな彼女に会ってみたいかって？
大変申し訳ございませんが間に合っておりますので、固くお断りさせていただきます。
なにぶん、手前の欲しいもの求める所へは這い…続きを読む

絶望案内人の名のとおり、ほんとうに絶望案内人です。
同情を覚える社畜パパには少しくらい救いがあるのかな？　と思った私がバカでした。
これにすら時限爆弾のような呪いがかかっていて救いがない……。
世にも奇妙なとか、そういうのがお好きな方にぜひぜひお薦めしたいです！

そう笑いかけてくる女性の姿が思わず見えるようでした。
美しい、けれどもおそろしさを漂わせる少女と、彼女にみそめられてしまった人々の恐ろしい、けれども目が離せない物語をどうぞ。

甘い誘惑の裏には恐ろしい真実が。
しっかり怖くて面白い！

実際に同じ状況になったら手を取ってしまうかもしれませんね。
しかし結末は……。

上質なホラーを求めている方におすすめの作品です！
短編形式ですので、休み休み読めるのもいいと思いました！
怖いの苦手な方でも休憩があれば読めるハズ！

絶望に瀕した人の前に現れ、甘い誘惑で彼らを陥れる悪夢のような少女。
彼女に魅入られてしまった人たちの物語は重く苦しく絶望的です。じっくりと恐怖に落とされて行きました。
続きの更新も楽しみにしています！