21.思考は訓練
前回とは打って変わって、たまには創作論らしく私個人の思想というか思考を少しだけ語っていきましょう。まあだから何を語るかと言われれば、今回のタイトルを見ていただければと。
まあ何が言いたいかと言われれば、思考というのは訓練の賜物であるということです。
思考というのは日頃から訓練をしないと力がつかないいわゆる筋肉のようなものなんです。少し考えたらわかりますが「幼児の思考力と大人の思考力では深さが違う」というのは当たり前の話ですよね?
ですがそうはいかない人だっています。少し時代を振り返ると、中国にはそれが原因で殺された皇帝だっていました。経済の発展のために運河を開拓させたはいいものの、臣下やその他大勢に理解されないまま、運河が完成してから殺された皇帝だっていますから。
思考力というのは為政者の思考を理解することだってできるんです。その日を生きるだけの人間に運河を開拓する意図が理解できないように、一歩先を考えることが難しい人だっています。
いつぞやどこかの文章で読みましたが、その日を生きる人間にはその人にしか体験できない豊かさがある、なんてものがありました。ですがだからと言って今現在生活に困窮していない人間がその日暮らしをしようなんで思わないじゃないですか。
思考力とは不安を煽るものではなく、先に起こるトラブルの可能性を潰すためのものです。ですからいい年になって陰謀論やら宗教やらにハマると元来持っていた思考力に変な力がプラスされて目も当てられないことになるわけで。
陰謀だ!宗教だ!と声高らかに叫ぶことは簡単ですが、少し考えればその主張を裏付ける証拠なんてなく、信ぴょう性の薄い物であることがわかるので。だからこそ学校で教育を親の義務としているし、世界中の学者は論文を発表しているわけです。少し考えたらわかる当たり前を、国と親は子供に教えなければならないわけです。
日本が江戸時代の終わりに開国されますが、その時に植民地化されなかった主な理由として、この思考力が影響しているように個人的には思っています。江戸時代でも都市部の識字率はかなり高かったこと、農村部でも村の一定数はある程度文字が読めたこと、これはかなり異常であることがちょっと日本人には理解されにくいこともあるんですが。
識字率というのは「文字が読める人口比率」という理解でいいのですが、そもそも江戸時代の日本では武士という一定の文化層が職にあぶれることが多かったのが主な原因です。そう、多くの文化人が仕事がないから寺子屋で物を教える仕事をしたのです。
仕事がないから家庭教師ではなく、格安の学習塾を開く。そうすると、あまり裕福でない町人でも子供を学校に行かせられるわけです。中には丁稚奉公に来ていた子供を寺子屋に通わせてくれる店もあったほど……
江戸時代ageをするわけではありませんが、大人が学習の大切さを知っているというのは重要なことなのです。
思考力を上げるには学校に通い、見聞を広めるしかありません。勉強が苦手でも、日常で使う漢字程度ならある程度読める日本人が現代でも多いのは義務教育の勝利なのです。
じゃあ思考力を鍛えるにはどうしたらいいの?と聞かれても、正直返答に困ります。強いて言うなら小学校の国語の勉強でしょうか。「作者の気持ちを考えなさい」「主人公の気持ちを考えなさい」と言う問題にブチギレる人は一定数いるでしょう。ですがその問いにブチギレながらも、「あれでもない」「これでもない」と頭を捻って「この描写が作者の気持ちを代弁しているのではないか」と考えたりしていくことが思考力につながります。
まあ手っ取り早く好きなゲームや漫画、小説のストーリーの考察すれば思考力は上がるのではないでしょうか?
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