28.資料の入手、保存、扱い方

 少しだけ自分の資料の扱い方を紹介していこうと思います。参考文献とか載せられても「そもそも資料を手元に置いておきたいし……でも扱い方がよくわからない……」という方も居そうな気がしたので。

 参考文献等は専門書レベルになると入手が困難になります。海外のものであればまず日本語訳されていないものも存在しますし、とんでもなくお高いなんてザラです。

 そのためいくつかの入手方法、保存方法に分けて紹介します。



入手方法1

・図書館

 まず日本の図書館は大変優秀です。インターネットで欲しい資料の取り扱いを図書館検索できるため、サイトを紹介しておきます。

 著作権法で本の内容を写真に収めることはできませんが、自分用の資料としてコピーして印刷することは可能なため、詳しくは図書館の司書に聞いてみてください。


国立国会図書館

https://www.ndl.go.jp

 国会図書館はご存知の方も多いでしょう。日本国内で発行された「本」の定義に当てはまるものを全て所蔵しております。とは言っても、所蔵されるのは本を発行した出版社の寄贈によるものなので、もしかしたら無い本もあるかもしれません。

 資料の名前だけでなく、キーワードによる検索で資料を調べることも可能です。

 国立国会図書館だけでなく、各自治体で図書館の蔵書を閲覧できるサイトが存在すると思うので、「〇〇(自治体名)図書館」などで検索もオススメです。



入手方法2

・インターネット通販による購入

 意外と書店で買えない本が買えます。現在は発行されていない本もゴロゴロ転がっているので、先述した国会図書館等でどのような資料があるのかを調べ、手元に置いておきたい場合はインターネット通販が確実です。

 あとはSNS等でどのような資料があるのかを調べると、資料がどれほどの精度か、欲しい情報はあるか、等意外と情報が出てきます。ファストチェックは大切ですが。



入手方法3 個人的なオススメ

・古本屋で購入

 インターネット、国会図書館でのキーワド検索でも引っかからない資料などはやはり書店で中身を確認して買うのがオススメです。ですが本屋で販売されるのは現在発行されている本ばかり。

 そうなってきた時の救世主が古本屋になります。

 地域によっては古本屋が集中している場所もあるでしょう。そういった場所を巡り、実際に手にとって中身を確認するというは国会図書館やインターネット通販よりも確実です。

 あまりにも古い本だと中古の本を扱う例のチェーン店は状態のいいものしか扱わないため、やはり古本屋の方が扱う資料の質が高いです。(場合によっては貴重な本を持っていくと古本屋への売却を勧められます)



 ここまで入手方法を書いておいたのでこれは十分でしょう。次は保存方法に行きます。とは言っても読者の方は本の扱い方などを熟知されている方もいるでしょうし、そんな細かく書くつもりはありません。

 まず大前提として「光に晒さない」ということ。

 これ、イラストを描かれる方(特にアナログ)を嗜む方、印刷に関わる方や美術品に関わる方は知っている方も多いですが、「紫外線で物は劣化する」ということです。

 今度画材屋や本屋を訪れたら確認してみてください。きっと「窓はありません」。

 紙、インク、顔料、染料は特に光に弱いです。強い光である自然光に長期間晒されない環境で本を保管してください。

 特にインクは染料から作られる場合が多いです。染料は顔料よりも耐光性(どれだけ光による劣化への強さ)が低いため、暖色系統の色はすぐに劣化します。時々みませんか?看板の赤文字が消えているところを。

 完全に外界の光を遮断する必要はありません。できればしてもらいたいですが、一般のご家庭では難しいので、本を置いている部屋のカーテンを閉め切る等を心がけてください。

 あとは好きなように本棚のレイアウトを考え、自分にとって使いやすい資料庫にしましょう。



 最後に扱い方です。これはシンプルに「どうやって資料にある情報を扱うか」という話なので、読み飛ばしていただいて大丈夫です。この話の価値はだいたい前半に集中しているので。

 まずは資料を斜め読みしましょう。熟読ではなく、速読で大丈夫です。そうして読んだ後に、気になった単語を調べるなり、ページを読むなりして情報を集めましょう。

 これは基礎の読み方なので、好きなように資料を読んでいただいて構いません。ただ、仕事で資料を扱う場合は速度が求められるので斜め読みが必要になってきます。


 そして資料を読み、情報を細かく分割し、メモにまとめましょう。

 情報のタイトル、概要、中身、参考文献を完結にまとめたメモをなるべく手書き、そして紙で残すことです。

 人間は実は透過光(液晶)から見た情報よりも反射光(紙面)から見た情報の方が頭に残りやすいです。そのために、使いたい情報は手元に残すためにメモを残すことをオススメします。手で書いた方が読むだけよりも頭に残りやすいためです。

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