自分のための創作論

佐藤吟

1.本の意義

 偉そうなタイトルですが、これは私にとっての本がどう言うものであるかを文章にするためのものなので「こいつ偉そうなこと言ってるやん」みたいな感覚で大丈夫です。自分の言いたいこと簡潔にすると大体偉そうになります。



 本題に入りますが、本の意義とは何かとはそもそもなんぞやとなりますよね。


シンプルに言いましょう

「癖の展覧会新聞」です


だいぶ失礼な言い方ですね。ではもう少し硬く言いましょう

「興味の裾野すそのを広げるツール」です


 これこそが、私が本が本である意義だと考えます。



 例えば歴史小説を読んだとしましょう。主人公は織田信長とします。誰もが知る戦国最強の男ですね。

 では織田信長の周囲には誰がいますか?この答えは人によって様々、この問いの前につく言葉によっても様々でしょう。


部下を挙げるなら

・柴田勝家


裏切り者を挙げるなら

・明智光秀


後を継いだ者を挙げるなら

・豊臣秀吉

・徳川家康


最初の強敵を挙げるなら

・今川義元


 織田信長の周辺人物を挙げるだけでこれだけ出ます。さて、この中で「この人良く知ってる!」「この人名前だけ聞いたことある」はあるでしょう。

 ここから「この人知りたい!」と考える人がいるかもしれません。この時点で本の意義が果たされています。

 今例えば今川義元に興味が湧いたのなら、興味が湧いた方の教養が深まる可能性が生まれました。織田信長の歴史小説を読んで新しい興味が生まれたなら、それを調べる人が出るでしょう。そうして新しいものを知る。これこそが、本の意義なのです。


 出版業界に携わる方はこれを理解しておられる方も多いでしょう。だからこそ本が燃やされる(焚書)、文化が消されるといった行為に対しての抗議活動を起こす人がいるのです。


 日本という国は特殊な環境です。なぜならば、今を生きている日本人は侵略行為を受けたことがないからです(時々SNSで難民問題などが囁かれていますが今回はこれは省きます)。

 戦争で侵略されたことはあったでしょうか。文化を破壊されたことはあったでしょうか。日本は法律で男女の教育の差別を禁じています。そのおかげで、男性女性関係なく大学までの学歴を取得することができています。

 こうした環境が当たり前であると忘れがちですが、日本人は日本人としての文化を保障された状態で生きていられています。


 話が脱線しました。ちょっと思想が強くなりましたね。忘れてください。


 本の意義とは興味の裾野を広げることであり、そして文化に触れることだと私は考えます。小説を書くということは、文化を知ることでもあると考えます。


 ここまで語っておいて「文化を知る」って飛躍しすぎじゃねーの?って思った方もいると思うので、これについて次回語っていきます。

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