18.同人誌みたいな逸話ってあるんだよ【7】

 前回は箸休めを挟みましたが、また同人誌的な逸話に入っていきます。今回はどこから持ってきましょうか。中東?アジア?それとも……では、今回は古代ローマから持ってきましょう。


〈暴君ネロはお茶目だった!?〉

 実は歴代ローマ皇帝の研究はかなり発展している分野で、一人の皇帝の記録を何人もの人が残しているので考証が進んでいます。(書いている人の主観がかなり入り込みやすいため、当時はあまり評価されていなかった皇帝もいますが)古代ローマ皇帝はもれなく詳細な記録が残っていることが多いです。

 暴君と謳われるネロも同じで、当時多くの人が彼の行動を記録していました。ネロといえば、ネロの母親も有名で、ネロは母親を恐れて船を沈めて暗殺しようとしたほど(しかし母は泳げるために生還したというオチ付き)。かなり厳しい教育ママだったようです。

 実は古代ローマ帝国は混乱した時期の方が長かったため、一般市民から果ては奴隷までローマ皇帝にのし上がるチャンスがありました(実際奴隷からローマ皇帝になった人もいます)。

 こういった背景があるため、ローマ皇帝は市民ととても距離の近い存在でした。

 これがネロのお茶目とどう繋がるのかというと、ネロは時々変装して一般市民に紛れ、市井に降りていたようなのです。ネロは暴君と謳われていますが、市民がネロの批判をしたからといってネロが粛清していたわけではありません。そのため、皇帝の悪口を言っている市民にネロが喧嘩を売っていたという記録があったりします。

 まるで水戸黄門のようなお話ですが、ネロにはスケさんやカクさんのような頼れる仲間はおらず、喧嘩に負けて身ぐるみ剥がされていたようですが。

 さらにどうでもいいおまけですが、皇帝の悪口を酒屋で話していたわけではなく変装したネロが「今の皇帝ネロをどう思うか」とか言って誘導していたオチまでついてます。


 今回の話はどうでしたか?正直酒が入っていないと書けない内容とかもあったりするので、これ以上に正気じゃない内容などは晩酌の後に書いているんだなと思ってください。実際は酒なんて一滴も入っていない場合もありますが。


 古代ローマ皇帝の話題もかなり面白いものがあり、しかも記録を残しているのが一人ではないのでたくさん文献があります(時々記録を書いている人たちも混乱して時期などが不確定なものもありますが)。多くの文献は書き手の主観が残っていることがあるので、実際の中身を読みながら精査するのがいいと思います。

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