19.同人誌みたいな逸話ってあるんだよ【8】
前回は古代ローマ皇帝暴君ネロの意外な一面を紹介しました。今回も同じローマから。女装癖のあったカリギュラと悩みましたが、今回はラノベ主人公のような経歴を紹介しましょう。
〈奴隷からローマ皇帝の側近!?最後は平和な老後を送った異例すぎる男〉
そもそも大切な前提として、「ローマ皇帝は基本的に引退した事例がない」ことを覚えておいてください。
この奴隷からのしあがった男の名はディオクレティアヌス。身分としては解放奴隷であったことが考えられています。(古代ローマでは奴隷が身分を解放されることがあった)
そして、先に語った大前提のうちの例外であるうちの一人がディオクレティアヌスなのです。彼は体調を崩したのを理由に退位し、6年後に亡くなりますが、こういった事例はとても少ないのです。ほとんどの皇帝は在位中に暗殺あるいは病死、あとは自殺といった人が多い中、(解放されていたとはいえ)奴隷から皇帝に成り上がったこの男がいかに異例かということです。
正直彼は解放奴隷であった説があるだけで詳しい身分は明らかになっていませんが、かなり低い身分ではあったのでしょう。そこから皇帝にまでのし上がれるのがローマ帝国という国だったのです。
ここでローマ帝国に関する解説を挟むのですが、ローマ帝国という名前の国は歴史上4つあります。ローマ帝国、東ローマ帝国、西ローマ帝国、神聖ローマ帝国の四つです。神聖ローマ帝国はちょっと関係ないので一回放置して解説しましょう。
古代ローマ帝国には五賢帝と呼ばれる皇帝たちがいました。ネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス=ピウス、マルクス=アウレリウス=アントニヌスの五人の時代が最もローマ帝国が繁栄した時代と言ってもいいでしょう。
このうちトラヤヌス帝の時代にローマ帝国の領土は最大となり、繁栄の絶頂を迎えます。しかし領土が広がるということはその分国を維持するためのリソースが必要になるということですが、トラヤヌス含めその後の皇帝達にそれができる人はいませんでした。
ディオクレティアヌスはというと、皇帝に即位した時に「この広大な帝国を一人で統治するのは無理だ」と早々に見切りをつけ、四分割統治をした皇帝になります。同時に国を治める皇帝を立て、負担を分割しました。
かなり英断というか、自分の実力をわかっているタイプの皇帝でしたね。
次回はどんな話がいいでしょうか?皇帝関連なら中国史からいくつか出せそうですが……では、次は廃帝についてのお話でも。
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