ハエ座地区殴り込み編

12話  料理対決

 前回のあらすじ。

 こいぬ座地区制覇したよ。(終わり)


「とりあえず敵地区一つ潰しましたし、おじいさまに連絡しましょう」


 エリスお嬢様は王様に定時連絡するようだ。


 人差し指で円を描く。すると丸い魔方陣のようなものを生成する。

 その魔方陣に映像が移る。

 すごい。魔法でそんなことが出来るのか。この世界では電話とかは必要ないようだな。


 映った映像には王様が見えた。王の間みたいだな。


 ……王様達はどんちゃん騒ぎしてた。僕たちの働きはまだ伝わってないはず……


 様子を確認してみると、


『いやあ、エリスがいないと胃が休まるわい!毎日宴会気分じゃ~』

『おまけに厄介者のピアスもおりませんしね!全くリブラ殿様々ですよ~』


 と、お付きの大臣らしき方が言った。王様はうんうん頷く。


『ほんとあの厄介者二人を嫁にでももらって、二度と帰って来ないでほしいもんじゃよ!重婚許すから!』

『あれですね、ドラ○エ1のエンディングみたいにね!』

『そうそう!知らんけど、姫様連れてどっか行くんじゃろ?』


 ……なかなか最低な発言ですよ王様。孫にそんなこと言ったら悲しませる事に……


「クソジジイ、殺しますわよ?」


 エリスお嬢様は血管浮き出るほどぶちギレている。そうだった。しおらしく泣くような方ではなかったな。


 お嬢様の声が伝わり、やっと見られてる事に気づく王様。


『あ、えっと……チャオ!ワシのかわいい孫』

「死ね。帰ったら覚えとくことですわね……。まあでもリブラ様の奥様になるのを許してくれるのは良いことですわね。はいそこになおりなさい」


 王様はびびり散らかし正座する。他の臣下の方々も。


「とりあえず、こいぬ座地区は潰したので、報酬として、またお金送ってくださいね。まさか嫌とはいいませんわよね?」

『はい!ただいま!』


 どっちが王様だ。


「で、次に近い敵地区はどこですの?」

『はえ座地区が近いかと!』

「はえ?汚そうですわね……そういうのはピアスのアホに任せますか」

「誰がアホだ!」


 ピアスは激昂。


「あたしも汚いのとか嫌ですぅ!エセお嬢様がいけばぁ?」

「高貴なワタクシがそんなとこ行けるわけないでしょ。その点あなたは下品ですし」

「下品な胸した奴に言われたくありません~デーブ、バーカ」


 ……子供か。


「太ってませんわよ!カロリーとか気にしてるんですからね!」

「あたしは気にせずとも太んないから気持ちわかんな~い。美味しいもの食べれなくてかわいそー」

「おあいにくさま、控えめでも美味しい料理作れますわよ」

「へえ。じゃあ勝負しようぜ」

「勝負?」


 ピアスは変なチラシをだす。

 チラシの内容は、求む料理人と書いてある。

 よく見ると、はえ座地区と書いてる。

 なんだ?奴ら料理人探してるのか?


「どうやら次の目的地は旨いものに飢えてる連中が多いらしい。だから料理が上手いほうがはえ座地区に行く!」

「……それだとわざと不味いの作って行かないだけじゃないのか?そもそも行きたくないって話だろ」


 と、僕はつっこむ。

 あ、って顔して首をブンブンふるピアス。


「じゃ、じゃあ料理対決に負けた奴がその料理持って殴り込む!」


 まあ、妥当なところか。

 ん?それだと僕らも参加しなきゃダメか。


「優勝者はリブラとチューできる権利を手に入れる!」

「なんですって!?負けられませんわ!」


 おい、当人無視して勝手に決めるな。それだと得なの君ら二人だけでしょ。


「じゃ、チューがいらないという相当変わった奴には、次送られてくるお金の配分多くもらえる事にしよう!」


 だからナチュラルに心読むな。

 でも、小遣い増えるのは悪くないかも。負けてもキスくらい大したことないし。


 ん?ピアスとお嬢様がなんかひそひそ話してるが、これ以上変な条件追加しないで下さいよ?



 ――つづく。


「料理対決次回じゃないか。どうなってるんだタイトル」


 この回でやるとは言ってないからね。


「次回 とんでも料理作るのは誰だ。……恐れてたけど、やはりヤバい料理作る人いるんですね」


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