16話  新たな十二星座戦士?

「カアカア。リブラ達一行、戦力増強のため、カメレオン地区にて戦士募集中~募集中~」


 情報漏洩カラスが、僕らが戦力を欲してると各地に触れ回ってくれた。

 ピアスの奴がパンツばらされたから、この子達に危害加えようとしたから、踏みつけて止めた。

 するとカラス達は僕に恩義を感じてくれたらしく、都合の良い情報を触れ回ってくれている。


 ――良い子達じゃないか。おまけにカラス達、可愛く見えてきた。


 とはいえ、バイトの募集みたいなものだから、即戦力が来るかは疑問だがな。

 ちなみに面接現場はまさかの次に攻める予定のカメレオン地区。

 ――なぜかって?

 移動と尺の都合だ。


 僕たち五人は席に座り、情報を聞きつけやってきた方々を面接する。僕は真ん中、その両隣にお嬢様とピアス。両端にシズさんと田中のおじさんがついた。


「これから、我がパーティーに、加わる戦士達の面接始めます。では一番の方……出てこいや!」


 と、バカでかい声を出すピアス。ちなみに形から入ると抜かし、メガネかけてる。

 ……意外に似合うな。


「オッス! エントリーナンバー一番!」


 半裸のマッチョの方が走って僕たちの前に……来たと思ったら、突然穴が空き、地の底へと落下した。


「ああああああああああああ!」


 お、落とし穴?


「不合格。汗臭そうだから。あたしの好みじゃないから」


 おい。


「まあ、わたくしもああいう手合いは苦手ですので良しとしますわ」


 お嬢様まで……

 というかピアスの好みとかどうでもいい。戦力になるかどうかだろ。

 不合格は落とし穴に落とすというわけか……芸人じゃないんだよ。


「次!」

「はぁーい。エントリーナンバー二番~」


 ん? 色気のあるバニーガールの服着たお姉さんか。


「不合格!」

「きゃああああ!!」


 ――やっぱり。


「女はいらない。リブラに色目使いそうだしね」


 男女差別するな。


「次!」

「三」「四」「五」「六……」

「不合格!」

「「ああああああああ!」」


 おい、みんな見た時点で不合格じゃないか。面接とは?


「次!」

「エントリーナンバー七番~」


 あ、綺麗なお姉さんだ。これだとまた……


「不合格!」


 いつものように穴に落とそうとする――が、

 お姉さんはその前に僕らの目の前にジャンプしてやってきた!

 で、できる!


「はじめまして~蟹座、キャンサーこと、キャスでえ~す」


 間延びしたしゃべり方の、長身のモデルみたいな美女だった。

 キャンサー……十二星座なら即戦力……


「コノヤロー! 女は却下なんだよ!」


 ピアスがプンスカしてる。

 戦力になるなら良いじゃないか……


「だいたいな! 蟹座とかな! 冥界に移動させるだけで! 実力は……」


 やめろ。その悲しきカーストの話はやめろ。


「なら~ウチの実力見せてあげるわ~」


 キャスさんの両腕が、蟹のハサミのように姿を変える。

 ――そして……


「りゃりゃりゃりゃりゃ!!」


 目にも止まらぬスピードでハサミを振るった。

 それにより、くらった相手の衣服がバラバラに切り裂かれ、全裸にされてしまった!

 なんてことだ!


「いや~ん!」


 田中のおじさんが素っ裸になってしまった!


「「うぼろろろろろ!!」」


 田中のおじさんの全裸にお嬢様とピアスは嘔吐した。

 ……よく人が嘔吐する作品だな。


「はずかち~」


 赤面ウインクする田中のおじさん。……キッツ!


「田中のおじさん……殺すぞ」

「なぶり殺しにしますわよ?」


 ピアスとお嬢様のガチトーンの怒り……怖。


 恐怖を感じた田中のおじさんは、顔を青ざめ、シズさんが放ってくれたタオルでデリケートゾーンを隠し、その場から少し距離をとった。


 まあ全裸になったことは、田中のおじさんが悪いわけではないからな。あまり怒ってやるな。


「コノヤロー! きたねえもん見せやがって! どうせならリブラをひんむけよ!」

「そうですわ! リブラ様の全裸を見せなさい!」


 ……これセクハラだよな。

 どこかに訴える所あるか?


「見たところ~大した奴らじゃないね~。ヴァル様のしもべにしてやろうかとスカウトしに来たんだけどね」


 ヴァル?


「すでに三地区制覇してる、乙女座のヴァル様の事~ちなみにイケメン男子~」


 乙女座……前回ピアスが言ってた事が本当なら最強格の実力者なのか?


「詳しく教えろ! イケメン男子のこと!」


 ピアスはもう口を閉じてろ。



 ――つづく。



「蟹座はいらないけど、捕らえたいね! 乙女座のイケメンは!」


「次回 面接はつづく。つづくの!?」

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