17話  面接はつづく。

「えーまず年齢はいくつ?」

「レディに歳聞くのはご法度~」

「誰がてめーの年齢聞くか! そのイケメン男子の事だ! 無条件合格だすぞショタなら!」


 ピアスの奴ショタコンだったのか。少年見かけたら避難させよう。


「ていうか~逆にこっちがスカウトしてやるって話なのに~そっちが面接とかムカつくって感じ~」

「いつの時代のギャルだてめえは! 髪型坊主にしてやろうか?」


 何をイライラしてるんだこいつは。同じ星座の名前同士、戦力になるかもしれないんだから、仲良くした方がいいだろうに。


「あのー」


 ん? 田中のおじさん?


「裸だから寒いんだけど」


 後でね。でも下半身はそのまま隠しておいてね。


「面倒な連中~こうなったら無理やりにでも言うこと聞かせてやろっかな~? それでヴァル様の元に献上する」


 キャスは両腕のハサミを開いて閉じてと、金属音を鳴らして挑発してくる。


「は? やれるもんならやってみなさいよ。……とりあえず、さっきみたいに服だけ切り刻んで見せろよ」

「そ、そそそそうですわね! もう一度やってごらんなさいな!」


 と、言いながらピアスとエリスお嬢様は、僕を押して前につきだす。

 あの、全裸にされろとおっしゃるのか? 訴えるぞ。

 どこに訴えればいいかはわからないが。


「あの~面接は?」


 おっと、待たせてる方々か。

 ズラッと列が並んでるじゃないか。

 百人くらい並んでる……


 え、僕らなんかの仲間にそんなに入りたいわけ? 変な連中しかいないんだぞ。僕を含めてな。


 それに勇者候補千人も殺ってる敵との戦いだぞ? わかってるのか? わかってないのか? 

 ……それとも。


「ああそっかそっか。じゃあ面接続けよう」

「え、ウチは無視~?」


 キャスさん無視して面接を続けるようだ。

 ……ん? 明らかに怪しい奴らが列に並んでる……

 カメレオンみたいな肌の色した……


『フッフッフ! 面接相手がカメレオン地区のボスだとは夢にも思うまい! 面接中で油断してるスキにぶちのめしたる!』


 ……とか思ってそう。変にニヤニヤしてるし。

 ならやることは一つ。

 こっちから面接するフリして……


「とりあえず、前から十人不合格」

「え?」


 ピアスの発言の後、並んでる十人の立ってる地に、大きな落とし穴が開き、全員悲鳴をあげて落下した。


「ひょえええええええ!!」


 ちなみに、カメレオン地区のボスらしき奴も落ちた。


 僕は穴の上から落ちたボスに声をかける。


「君、カメレオン地区のボスだよね?」

「な、なに!? 貴様なぜそれを!」

「ちなみに前に座ってた九人も君の部下?」

「な、なに!? 貴様なぜそれを!」


 リプレイ検証か? 一言一句同じ答えが返ってきたな。

 ちなみに最後の発言はかまかけただけなんだけど、簡単に教えてくれるとは……


「エリスお嬢様。この穴に火を放って下さい」

「リブラ様の仰せのままに」


 エリスお嬢様は大きな火球を、穴の中に放り込み、カメレオン地区のもの達を焼く。


「ぎええええ! それが正義の味方の戦法かよおおお!」


 すいません。これギャグ作品だから。まともにバトルする必要ないんだ。すまない。


 炎と悲鳴が止むと穴を覗き込む。

 中には黒こげのカメレオン地区の兵。見事撃破だ。


 うーんこっちが悪党に見えてしまうのがたまに傷だな……


「ところでピアス、よく敵とわかり落としたな。褒めてあげよう」

「マジ!? 撫でて撫でて! ちなみに顔見て不合格にしただけだけどね!」


 ……やっぱ悪党みたいなものかもしれんな我々は。


 ただ、お手柄ではあるから撫でてやる。ナデナデ


「デヘヘ~」


 変な声あげて笑うピアス。

 エリスお嬢様は唇噛んで血を流していた……


「あれ~? ウチほったらかし!?」



 また次回ね……



 ――つづく。



「撫でられた~。さてさて、乙女座拉致にでもいこうかね?」


「次回 乙女座を拉致しにいこう。あらやだ物騒な題名!」

(お前も言ってたろ)

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