23話  おっさん隊長がよみがえって来たよ

「おっさん隊長、あんた爆散したはず……」

「誰がおっさん隊長だ!」


 自分の事を、トイプードルの顔した人間だと思い込んでる哀れなおっさんは憤慨してる。


「長いわ! たなおじみたいな名前にするな!」


 お前も心を読むな。

 田中さんの名刺を持ってた冴えないおじさんが、田中のおじさんの名称だからね。確かに似てるな。

 たなおじ名称とでも呼ぶか? 

 何か意見あればコメント欄にどうぞ。


「どうでもいいことに意見求めるな!」


 ごもっとも。こんなおっさんに正論言われるとはな。


「とりあえず、なんでオイラが復活したかだったな! わん」


 ちょくちょく語尾つけるの忘れるなよな。


「確かに貴様らにオイラは倒され、爆散した。しかし! 人気投票で二票も獲得したオイラがこのまま死んでていいのか!?」

「いいよ」

「お前の意見は聞いてないわん! それで、封印されてる首領のシグマ様に直訴したんだわん」


 ――封印!?


「ちょっと待て、首領が封印されてるとか初耳だぞ」

「そんなことはどうでもいいだろわん!」


 いやむしろお前の生き返った理由のがどうでもいいんだが。


「オイラは死後、幽霊として漂ってたんだけど、二票もらえたことで元気を取り戻し、他の隊長の命使ってオイラ甦らせてくださいと、シグマ様に直訴したんだわん」


 おいおい仲間の命使ってって、最低発言だな。


「――で、シグマはなんと?」

「OKもらったわん!」


 ええ……代わりに死んだ隊長に御冥福お祈りしますよ。


「ちなみに三人犠牲にしたわん」


 シグマもなに考えてんだ?

 ただ三人も隊長いなくなったのなら、こちらとしては手間が省けていいがね。(ゲス顔)


「で、人気一位のたなおじ処刑に参加したいんだよね?」


 ピアスはおっさん隊長に問う。


「そうだわん! 参加させろ!」

「いーよ」


 軽く言うな軽く。 


「敵なんだぞ相手は。本当に田中のおじさん殺されちゃうぞ」

「別にいーじゃん」


 よくねーよ。


「じゃあまずコメントもらった処刑するね。『たなおじの全身にガムテープ貼り付ける』だってさ」

「ええ!? 足に貼って剥がすとかってこと!? すねげなくなるのはいいけども、痛そうで嫌なんだけど!」


 めっちゃいやいやと首を振る田中のおじさん。

 するとピアスは首をかしげる。


「なに言ってるの。

「へ?」

「ご希望では全身つるつるにしてあげてって話。だからミイラみたいにガムテ、全身に貼り付けて剥がすから」

「ええええええええええええ」

「うるさい」


 また電気の流れるボタンを押すピアス。


「おぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」

 

 またしびれて骨が見えるような、アニメのリアクションしてからぐったりする田中のおじさん。


「とはいえ乙女のあたし達としてもたなおじのきたねえ体とか見たくないから~お前に任せる」


 と、自称トイプードル顔の隊長に、ピアスは指差す。


「え? オイラ?」

「たなおじ処刑したいんでしょ? はいガムテ」


 と、大量のガムテを手渡された自称トイプードル顔の隊長は、素直に受け取り、田中のおじさんの前に……


「脱げ、たなおじ」

「え、脱げだなんて……だいたん」


 きっしょ。

 田中のおじさん、なんで顔赤らめてるんですか。


 ところで自称トイプードル顔のおっさんと、冴えないおじさんのBLって需要あるんですかね? あるなら教えてください。

 美女と野獣じゃなくて、野獣とおじさんなんですけど。


 ところで田中のおじさんのこと、どんな容姿で想像してます?

 髪の毛薄いとか、ひげ生えてるとか、背が低いとか、腹でてるとか、いろいろ想像の余地ありますよね。

 あえて田中のおじさんの容姿には触れてこなかったんですが、皆さんの意見、尊重するのもありかもしれないと、作者は思ってるらしいです。

 まあ一応、設定では決まってるんですけどね。

 

 ちなみに年齢は四十代後半です。

 あと、髪の毛やひげはもう想像する必要ありません。


 なぜならガムテでつるつるになるからです。


「ええ!? 何言ってるのリブラくん!? え? 無駄毛だけじゃなく髪の毛も!? 勘弁して~!!」

「そりゃ」

「いや~ん!」


 おっとカメラさんは離れてね。

 ピアスやお嬢様達もすでに目を背けてる。

 自称トイプードル顔の隊長に田中のおじさんは全裸にされ、ガムテを全身にまきまきされてます。


 なんかたなおじの被害者としてきた二人のマッチョ男らはそれをガン見してる。なんでやねん。


「王様助けて~!」


 申し訳ない。この間の近況ノートの質疑応答で田中のおじさんは失敗したので、このたなおじ処刑編では王様との通信途絶えてるんだ。


「なんでピンポイントでおいらの嫌がらせ加算されてるの!? 投票してくれた方々~おいらが好きなんじゃないの!?」


 好かれてますよね。ネタキャラとして。


「ひえ~! 投票した人~! 

恨むよ!」


 こら!! 投票してくれた方々になんて事を!


 皆さんすいません。投票してくださった方々には多大な感謝をもっておりますので……

 投票してくださった方に対する愚行、万死に値するので、次回以降も処刑は続きます。また何か意見あれば、この処刑編のみ対応するかもしれないので、また……


「ええ!? まだつづくのこれ!」

「次回引き剥がすから覚悟しておけよ」

「ひええええええ!!」


 そんなバカ騒ぎに、乙女座ヴァルの空いた口はふさがらなかった。


「なに? なんなんだいこの連中……頭おかしいのか?」


 はい。おかしいです。



 ――つづく。


「引き剥がすところもみたくないからねーモザイク処理しないと……」


「次回 ツルツルピカピカなたなおじ。笑いこらえられなそう……フフ」

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