たなおじ処刑編
22話 田中のおじさんを処刑しよう。オー!
田中のおじさんは、両腕両足に錠をつけられ、身動きを封じられた。
錠なんかどこから持ってきたと思われるでしょうが、そこはおいといてください。
「ちょっとちょっと! なんなのなんなの! ねえ! ねえ!」
めちゃくちゃ騒がしくわめく田中のおじさん。まあでも仕方ない。なんの身に覚えもないのに処刑だなんて言われてるんだからね。
僕もそこら辺の事を知りたいから、ピアスに問う。
「ピアス。何で田中のおじさんを?」
「そーそー。本来オレとこの天秤座で争う予定だったのにわけがわからんよ」
――と、乙女座ヴァルも同調してくる。
「とりあえず、これを見てみてよ」
ピアスは僕たちの目の前に、魔方陣でURLを貼る。
https://kakuyomu.jp/users/rankaz/news/16818093085933040001
こ、これは僕たちの人気投票……誰が投票したというんだ?
べ、別の世界の人々なのか!?
「結果は見ての通り……たなおじ風情が一位をとりやがった……あたしは0なのに……」
要は嫉妬か。
「あたしらパーティーの中でこいつだけ票が入ったんだよ!? 万死に値するでしょ!」
「うちは一票入ってるよ」
「たなおじ一人だけ入るとか抜け駆けもいいところ……許せん!」
おい、シズさんスルーするな。
まあでも仕方ないことだと思うけどね。僕らは顔がいいとはいえ、小説媒体じゃわからないし、そこら辺はプラスにならない。
僕に至ってはただの狂言回しに近い。なんなら名前覚えてない人もいるかもしれない。
――だからプロフィール置いてみました!
だから僕はまだわかる。でも話の中心たるピアスや、お嬢様に票入らなかったのは意外だよね。
ちなみに作者は、この作品内ならピアスが人気あると思ってたらしいよ。
※マジです。たなおじがネタとして入れやすいということを失念してました。
「ぴ、ピアスはやっぱさ~いくらかわいい女の子でも、性格がブスすぎるのが~ダメだったんじゃない~?」
田中のおじさん。この期に及んでよくもまあピアスを挑発できるよ。その度胸は買う。
ピアスはなにやらスイッチを押す。
「おぎゃららららりららら!!」
わーお。田中のおじさんがギャグ漫画でありがちなシーン、電気ショックを受けてホネが透けて見える。
「たなおじ……お前を殺す」
――デデン! ※謎のBGM。
それって言われた人は死なないらしいぞ。
「え、マジ? じゃあたなおじ……生きろ」
こけそうになるわ。逆言えばいいって話じゃないだろ。
「生きる! だから解放して!」
「やーだよ~。バーカ」
ピアスはあっかんべーして、エアガンを持ち出してBB弾を発射。
田中のおじさんの全身に当たっていく。
「いた! いたたたた! 地味に痛いからやめてくれ~!」
痛みに叫ぶ田中のおじさん。
……なんか、エリスお嬢様まで参戦して発砲してるし。
「ホーッホッホ! わたくしより人気とか許せませんわ! いたぶっていたぶって……なぶり殺して差し上げますわ!」
怖いですよお嬢様。さすがにそこまではかわいそうですって。
というか既にかわいそうなんですけどね。
なら助けろって話ですよね。
……でもなんか怖いし二人。
ヴァルとキャスさんも二人にドン引きしてるし……
「あ、そうそう!」
ピアスはカメラ目線でウインクする。カメラ目線ってなんだ。
「読者のみなさーん! コメント欄で、たなおじにどんな処刑したいかコメントに書いてみてね! 更新前ならその処刑、採用されるかも!?」
なに読者さんにアンケートとってるんだ。迷惑かけるな。
「ちょっと、ま、待って!」
BB弾の雨を受けながら田中のおじさんは抗議しだす。
「オイラはね! この作品人気ナンバーワンの色男だよ!」
誰が色男だ誰が。あんたはただのおじさんでしょうが。
「そんなオイラにこんなことして! 読者は黙ってないよ!」
「はあ……あのさあ」
ピアスはため息つきながら呆れ出す。
「あんたはさ、キャー○○くん素敵~○○くんの悪口とか許さない~!……なんてキャーキャー言われる人気だとでも思ってんの?」
「え? 違うの?」
「たりめーだボケ!」
「ひえっ!」
ガチビビりする田中のおじさん。涙目になるな。それと漏らしたりするなよ?
「いいか? あんたはネタ扱いで人気なだけ。それを証拠に、あんたが処刑されることには読者さんは楽しみって発言してるんだよ」
「ええ!?」
少なくともこの話投稿時点では、処刑を止める声はないね。
……投稿ってなんの話だろうね。
「それと、あんたの被害者の皆さんをここに呼んでるからね」
「ひ、被害者?」
「どうぞ~」
ピアスがそう言うと、二人の人物がやってくる。二人とも上半身裸でムキムキマッチョマンだ。
……どこかで見たことあるような……
「まず騎士団副団長補佐の弟子、マクロ!」
「イエス!」
台本読んだピアスの声に、ボディービルダーみたいなポーズをするマクロさん。
「そして、魔法師団団長の一人息子の友達、アニュイ!」
「イエス!」
またもビルダーポーズ。
……ん? なんか聞いたことあるぞ。
「彼らはたなおじのせいであたし達の仲間になれなかった悲しい子達だ」
あ~あの時の……2話参照です。
「そして……」
「「アーッハッハッハ! だわん」」
ん? なんか変な声が空から……
すると、何者かが空から僕たちの前に降りてきた……こ、こいつは!
「どうだ! よみがえって来たぞワン! トイプードルた、」
「自分をトイプードルと思い込んでる変なおっさん!」
「誰がだ! いい加減犬の顔と認めろ!」
このおっさん11話で死んだはず……なんで?
「次回答えてやる! そして、オイラも田中のおじさんの処刑に協力するワン」
「なぜ?」
「だってたなおじが死ねばオイラが人気ナンバーワンだからね。ワン」
お前が人気一位になったらこの作品もある意味終わりだよ。
ていうか度々ワンって語尾忘れるな。
――つづく。
「まさかの復活! トイプードル隊長だワン! みんな! ファンアートとたなおじ処刑方法よろしく!」
「次回 おっさん隊長がよみがえって来たよ。……誰がおっさん隊長だ! トイプードル隊長だ!」
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