13話 とんでも料理作るのは誰だ
「パンパカパーン!パンパンパンパンパカパーン!」
ピアスが地声でBGM奏でてる。
「さあ始まりました料理対決!リブラ一行で一番料理が上手いのは誰だ!?実況兼解説兼出場者のピアスがお送りします!」
出場者が実況するな。どうせ自分の料理の時褒めまくる気だろ。
「で、批評もとい味見役は、こいぬ座地区で逃げ遅れた間抜けな兵隊達でーす!」
「「うーうー!!」」
……猿ぐつわつけられ、体は強靭なロープで縛られてる兵隊さん方が席に座らせられていた。
人数は結構多い。
女の子もわりといるじゃないか……
あと、なんかボーッとしてる子もいる。
ちなみにロープはどこからというのは今度説明します。忘れなければ。
「もし、とんでも料理作ったとしても! 敵が食べるなら問題ないよね!」
……人としてアウトな気もするけど。
そういえば食材とかはどこから持ってくるつもりなんだろうか。
「食材はこの基地の冷蔵庫の片っ端から持ってきたよ」
おいおい子犬座地区だろ? ドックフードとかじゃないよね?
――と、思ったらわりと普通な食材があった。よかった。
「じゃあエントリーナンバ―ワン! リブラ!」
え、僕から?
……よくよく考えると料理の記憶とかないぞ。
まあ、いいか適当で。食べるの敵だし。女の子には悪いけど。
「おいおいおいおいー!!」「適当ってふざけんなー!!」「顔がいいからってなめてんのか!」
だから心読むな。
お米あるな。……チャーハンでも作ろうかな。えっと、適当に油しいて、適当に米入れて、適当に肉っぽいの入れて、適当に卵っぽいの入れて……
完成した。
「おいおいおい!」「ぽいってなんだぽいって!」「隊長は変な食材冷蔵庫に入れてたんだからちゃんと確認しろ!!」
……うるさいな。
僕は仮面を取り、麗しの美貌を見せる。
「静かに……食べてくれないかな?」
「「は、はいいいいい!!」」
「わーかっこいい~」
皆が魅了されるなか、抜けた女の子も称賛はしてるけど、反応はいまいちだな。
――実食!!
「「うぼろろろろろろろろ!!」」
女の子以外全員嘔吐した。やっぱダメか。
女の子はというと……
「わかんない~」
わかんない?
「か、彼女はなんにもわかんないちゃん。だから味もわかんないんだ……」
審査員失格じゃん!
リブラ、得点0。
「次はウチ! ピアスのお通りだ! おら食え!」
紫色のシチューだった。もう見た目からしてあれだな。
なんにもわかんないちゃんは恐れず口にいれた。そして……
「う~ん、この味は~」
「誰がうん◯の味だこらあ!!」
ピアスが全力の拳をなんにもわかんないちゃんに浴びせた!!
なにやってんだ!!
なんにもわかんないちゃんは百メートルくらい吹き飛ばされ気絶してしまった……
や、やりすぎだろ……かわいそう。後で介抱してやろう。
てかうん◯の味なんて言ってないだろ……どんな耳してんだ。
、があったろ……
「早く食えおら。さそりシチューだ」
「「うぼろろろろろろろろ!」」
やっぱり……
「オーッホッホ! やっぱりダメね倒置法クソ女は! 見なさい! ワタクシの料理を!」
「「うぼろろろろろろろろ!!」」
やっぱりな。お嬢様が出きるとは思えなかったし。
ちなみに出した料理は黒ずんだ団子みたいなのでした。何のつもりで作ったのかな?
三人0点かこれで。
「あたしの出番ってわけね……ふふふふ」
おおシズさん。
「あ? 確か七話を最後に会話してない空気女さんでしたっけ?」
ピアスの挑発に眉をピクらせるシズさん。
「田中のおっさんより実質出番ないとか恥ずかしいですわよね……」
お嬢様まで……そのくらいに……
「まあでもおいらより出番ないって実際その……ねえ? ぶふっ」
田中のおじさん! あんたまで!
「ぜ、絶対優勝してやるんだから!」
怒りと泣き顔見せるシズさん。
……頑張ってください。
――つづく。
「でもほんと久しぶりのセリフだったんだよね。嬉しかった!」
「次回 二人の結果 あ、田中のおじさんもやるんだもんね」
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