26話 謎の双子
「えいえい」
「やあやあ」
「ギャハハハ! や、やめれ~」
双子ちゃんのジェイくんとミニちゃんは、柔らかそうな先っぽの丸い植物を持ち、田中のおじさんをくすぐってる。
脇、足の裏などを念入りに。
「ひーひー! なんでおいらの弱いところしっ、しってんの! ギャハハハ!」
「さあ? ただ」
「なんとなくここが」
「弱いかなって」
この以心伝心の双子ちゃん。なんで田中のおじさんの処刑に加わったのかな。
知り合い? でもおじさんはそんな素振り見せてないし。
「あとこれ」
「たべて」
双子ちゃんは、ピーマンと人参の炒め物を差し出した。どこから持ってきたとかは置いといてください。
「やだ~! おいらピーマンと人参きらーい!」
子供みたいな言い方でいやがるな。
「好き嫌いしないで」
「食べなさい」
「やだ~!」
あの、なんかおかしな光景なんですけど。
子供がおじさんにしつけしてるみたいに見えるんですけど。
「しょうがない」
双子ちゃんは田中のおじさんの口を無理やり開かせる。
「口にとりあえず」
「放り込む」
「おぎゃぎゃ!」
でもなんか、双子ちゃんの処刑かわいくて和む。
だってこちょこちょと嫌いな野菜食べさせてるだけだよ? さっきまでの処刑とはえらい違いだ。
これには田中のおじさんも助かったと思え、
「なんてガキ共だよ! 親の顔が見たいよ! 人の嫌がる事して!」
大人げなく怒ってるわ。
さっきまでやられてた処刑に比べればだいぶ優しいのに。
庇ってあげるか。
「田中のおじさん。この子達はそこまで酷いことしてないんだし、大目に見てあげなよ」
「嫌だね! こういうガキにはお仕置きしてやらなければ気がすまない! お尻ペンペンだ! さあお尻出しなさい!」
女の子もいるんだぞ。
「それにおいらがくらった処刑をこのガキ共にもやってやる!」
八つ当たりじゃないか。
「いくぞお!」
無謀にも田中のおじさんは双子に殴りかかる。
結果は……
当然田中のおじさんは返り討ちにあい、双子に踏みつけられている。
「本当にムカつくおっさんだな」
「見てるとなんか腹立つんだよね」
「なんか見たことある気がするしさ」
「わかる」
やはり双子と何か関係が?
「な、なんかおいらの方も見覚えあるような気というか、この踏まれる感覚……覚えが……」
踏まれるのに覚えって……
そういえば僕も含めてだけど、転移してきた人間は転移前の世界の記憶を全て失くすんだよね。
もしかしたら転移前の世界で田中のおじさんと双子ちゃんは知り合い……?
「おいお前ら! オイラを放置するなよ!」
ん? 自分の顔をトイプードルのものと思ってる哀れなおっさん、トイプードル隊長(自称)が何か怒ってるぞ。
「自称じゃない!……わん!」
ちょくちょく語尾忘れるならやめてしまえ。
「せっかくの復活、そして人気一位を手にするチャンス……邪魔しないでもらおうか!」
「わかったわかった。リベンジマッチ受けてやるから」
しょうがないから、また戦ってやる事にした。
するとピアスがシッシと追い払うように手を払う。
「ならたなおじ連れて帰んなよ。後日戦うってことでさ」
「? なんでたなおじを?」
「いや、コメント欄の処刑方法にたなおじをトイプードル隊長(自称)の部下にしろってあるから」
あ、あったな……
ていうか、それって処刑か?
トイプードル隊長の部下が屈辱なのは良くわかるけどね。
「誰の部下になるのが屈辱だ! 誰が慕われてない犬に仕えるのがクソだ!」
そこまでは言ってないよ。
というか自分で言うって事は、自分自身でそう思ってるってことじゃないの?
「思ってないわん!」
だから心読むな。
「ていうか、おいらもトイプードル隊長(自称)の部下とか嫌だよ!」
まあ、そうだよね。田中のおじさんの気持ちもわか……
「だって隊長弱いじゃん! 部下になってもみんなに、特にピアスにぼこぼこにされるだけ!」
おい待て。勝てるならいいのか? 僕達倒せるなら倒す気か?
戦力外通告だして置いてくよ?
「仕方ない! こいたなおじ!」
「え、ええええええええええ!?」
トイプードル隊長(自称)が田中のおじさんをズルズル引きずって、この場から去っていく。
たなおじ、トイプードル隊長(自称)の部下になる。
リブラパーティーから外れる。
「つ、ついていけないんだけど、なんなんだよこいつら……」
「ヴァル様……右に同じです」
あ、放置しててごめん。乙女座と蟹座さん。
そもそも君らとのもめ事だったのに、スルーして処刑始めたんだもんね。
――つづく。
「田中のおじさん、どうなるかな? 連れてかれたけど……とりあえずたなおじ処刑編は終了です。コメント欄で参加してくださり、ありがとうございました」
「次回は新章、再戦トイプードル隊長編です」
「次回 何も考えてないトイプードル隊長。おい、また題名にバラされてるぞ」
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