第6話 別れとダンジョン
ようやく2人の街に辿り着いた。
2人とも親に抱きついて幸せそうだった。
「本当にありがとうございます」
「ありがとうございました」
「いーよ!楽しかったな!またね」
「「はい」」
と別れて馬車も渡してこれからは瞬歩を使って旅に出る。
来た道を戻るのもしょうがないからそのまま先に進む。
田舎道を進むのも慣れたもんだな。
と瞬歩で走って行くと、次の街が見えたので歩いて普通に入る。
ここにはダンジョンがあるらしく賑わっている、道端に何軒も露店がならび、肉串を買って食べてみるがしょっぱいな。
買ったものだから食べるけど二度と食べないな。
宿屋に入り一泊する。
どこも宿屋のレベルは変わらないな。
下の酒場で飯を食う。
もう薬は懲り懲りなんで、鑑定してから食べる。
普通にダンジョンのことを話しているので食べながら聞き耳を立てる。
「ダンジョンの20階層のボスが」
「あぁ?ダンジョン攻略で金が」
など有力な情報は無さそうだな。
部屋に入りゆっくりしてから眠りにつく、
明日はダンジョンにでも行ってみるか。
次の日、少し肌寒くなって来てるので長袖を買い、ダンジョンに向かう。
並んでいるので後ろについて順番を待つ。
「おいおい、ガキがこんなとこ入ってんじゃねーよ!」
「おい、場所譲れエッ!」
「ガキじゃねーし、この場所も譲らないが?」
と首元に剣を突きつけてやると尻餅をついて列から離れていった。
ほんとにあぁ言う輩が多い国だな。
ダンジョンに入ると、石造りのダンジョンになっていて1階層は前に習って進んでいくと普通に2階層に辿り着く。
まぁ普通にダンジョンというだけありモンスターはいるけど戦っている人が多いな。
先に進んでいき10階層、ボスがいるらしく並んでいる。
緊張しているのか貧乏ゆすりをしている奴もいるな。
「坊主1人か?」
「これでも18歳ですが」
「そうなのか、悪いな。1人でここに?」
「はい」
「10階層のボスはゴブリンキングだぞ?悪いことは言わねぇから、やめといた方が」
「いえ、大丈夫です!」
「そ、そうか。無茶するなよ?」
とまだ言ってくれる人がいるのはいいことだな。
でもゴブリンキングかぁ、まあ、倒せるだろうしな!
と待っていると自分の番が来たので入って行く。
扉が閉まりゴブリンキングが出てくる。
ゴブリンを二回りほど大きくした体格で王冠を頭に乗せているゴブリンキング。
瞬歩で近づき収納すると、レベル、『眷属召喚』『命令』『強欲』『性豪』と必要な者はないが、眷属召喚は邪魔なので取っておいて排出するとあたふたするゴブリンキング。
「じゃーね!」
と斬り倒してしまうと金貨とゴブリンキングソードをドロップして消えてしまった。
先の扉が開いたので進むと、さっきの冒険者が待っていた。
「お!ちゃんと倒して来たな!ちょっと心配しただけだ!頑張れよ」
「はい!ありがとうございます」
「じゃーな!」
と少しホッコリして先に進む。
オークやリザードマンなどが出てくるが収納して必要な物は取って行く。
「んー、必要なものはあまりないなぁ」
それでも収納してから倒して行く。
20階層はオークキングだ。
ゴブリンキングと同じく、オークを大きくして王冠とマントをつけている。ここも瞬歩で近づくと収納する。
レベルと『ため斬り』『眷属召喚』『命令』『性豪』だったのでレベルと眷属召喚を除いて排出し、斬り倒す。
ドロップはオークキングソードに王冠に魔石。
ゴブリンと言いオークと言い『性豪』がついてるモンスターは女性をいたぶるのでかならず殺さないとな。
まぁ、ダンジョンでは外に出てくることはないので安心みたいだな。
30階層、オーガ、
体格のいい大鬼が金棒を片手に待っているがやはり瞬歩にはビックリしたみたいで直ぐに収納、レベルと『鉄壁』『上級棒術』『威圧』『怪力』があったので全て取って排出すると、オーガは金棒を落としてしまいあたふたしている。
「ハハッ!怪力がないから持てないんじゃないか?」
力自慢のオーガもこれじゃあ台無しだ。
一閃で倒し、オーガの鎧と鬼鳴りと言う刀をドロップした。
鎧を付け替えて鬼鳴りを装備する。
街で買った鎧はウルフ系の素材で作ってあったが、これはフィットと言う魔法が付与されていてある程度サイズが変わるのでいい。
パージで大きくして外せるのも楽だな。
鬼鳴りなんかの刀があるなら職業の侍も取ってくればよかったな。
もう近くには冒険者はいないようですんなり進めるな。
また収納と排出を繰り返しながら進んでいく。
途中で宝箱を発見、毒針の罠が仕掛けられていたので後ろから開けると、スタタンッと毒針が射出された。
「ほぉ、凄い勢いで飛んでくな」
中身は幸運のネックレスだったので着けておく。
さぁて、40階層に行く前にネット通販で弁当を買って腹ごしらえをしておく。
「美味いなぁ、こんなのネット通販に売ってたらやっぱ買うよな。篠宮はいいスキルもらったんだなぁ」
まぁ、もう俺のものだがな。
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