第15話 魔王とその後
ファフニールに乗って魔王領に入った俺達は魔王城を目指す。
荒野に城があるのが見えるがその前にモンスターが並んでいる。
「ここから一歩も通すわけにはいかぬ!」
と出て来たモンスター達を蹴散らして行くのはサウザンドドラゴンなどのドラゴン軍団だ。
「な、なぜお前が!魔王の眷属になったはず」
『ハハッ!やっぱりやめだ!お前たち魔王軍とは合わないからな!』
とモンスターを竜の火炎で焼き尽くす。
『ここは我らが受け持った!ファフニール様と健人殿はまっすぐ魔王の元へ!』
とサウザンドドラゴンから声が飛ぶ。
「わかった!ありがとう!」
とファフと共に魔王城まで行くと、下に降りて城に入ろうとしたところで、サイクロプスと肩に乗った女が城から出てくる。
「ここは通さない、ここがどこかわかってるの?」
「魔王の城だろ?まさかいないとか?」
「こ、この!踏み潰せ!」
『ウガァァァァ』
と踏み潰される前に収納!
2人とも収納して女はサキュバスだった。レベルと『誘惑』『夢食』を取り、サイクロプスからはレベルと『怪力』『ビーム』を取り排出する。
「え!」
『ウガッ?』
とわからないようなので、
「じゃーな!一閃」
と剣でサイクロプスを倒し、落ちて来たサキュバスも剣帝技で倒す。
女は消滅し、サイクロプスはファフが食べてしまった。
『うむ、不味いな』
「あはは、ダメだよそんなの食べちゃ」
「そうじゃのう…それじゃあ行こうとするか」
と人型に戻ったファフと2人で城の中に入って行く。
「オラァ!どうしたその程度かや?」
ファフが敵の龍人と戦っているが、
「ま、まだまだ!」
収納、
「健人よ、我は戦いたいのじゃが」
「ん?でもスキル貰いたいし」
「まぁいいがのぉ」
レベルと『龍拳』『鉄の拳』『龍化』を取ると排出する。
「ん?行くぞ!」
「はぁ、ほれ!」
「ウボゲッ!!」
とパンチ一発で壁にめり込んでいた。
「これじゃ弱いものいじめじゃのう」
「あはは!そうだね」
と言って次の階に上がって行く。
やはり特殊なモンスターが多いので収納して行くからファフは不完全燃焼みたいだ。
「はぁ、健人といると我は戦えないな」
「そう?あ、サイクロプスだ!あれは収納しないよ」
「よし!我の出番だ!」
と張り切ってサイクロプスをボコボコにしている。
「ふぅ、スッキリしたのじゃ」
と清々しい顔だな。
そろそろ1番上かな?
「ほぅ、ここまで来れるとはな!我が復活してからそんなに経っておらぬぞ?それで我が倒せるのか?」
椅子に座って気怠そうに肘をついて足を組み上から見ている。
「ん?まぁ、勇者じゃないしね?」
「ほぅ、それではここまで来たのはそこのドラゴンのおかげか」
「それもあるね」
ファフがドラゴンだってことも分かってるみたいだな。
「それではこれでどうだ!」
と指先からビームのようなものを出すが、
「光の盾」
でガードする。って、ファフを狙ってるのか。
「君の相手は俺だぞ?」
「ふっ!ハッハッハッハッ!光の盾を使うのは聖騎士だぞ?それが魔王に勝つつもりか?」
「ならそうだな、セレネ!月纏いだ!」
「はい!」
と精霊を身に纏う。
「精霊使い?なんだお前は?」
「まぁ、特殊なんだよ」
と剣を構える。
「あはは、笑えないな!それでは相手をしてやるよ!」
“ギンッ”
一瞬で目の前に来た剣を受け止める。
「…少しは出来」
収納!
レベルが597かよ!凄いレベルだな、って俺より低いけどな。
で?スキルが『暗黒剣極』『暗黒波』『暗黒舞踏』『全耐性(光以外)』ってどんだけ暗黒が好きなんだろ?
『封印(仮死状態)』これかな?取っておかないとな。まぁスキルは全部取っておくか!で、『送還(死亡時)』これは残しておかないとな。
よし!排出っと!
「る?な、なんだ?」
「一閃!」
「ウガァァァァ!」
半分に斬られた魔王は叫ぶが、
「まだだ健人!」
「はいよ!」
と剣帝術で切り刻む。
「う。うそだぁ…し、死ぬのか?」
「そうだね!じゃあね!」
と頭を一刀両断してしまうと砂になって消えて行く。
「はぁ、魔王があんなあっさりと」
「そうだな、微妙な終わり方だったね」
喋っていると光に包まれる。
「健人!約束じゃ!」
「うん!収納!」
ファフを収納する。
『私も一緒ですよ』
「あはは、そうだね」
月纏いを解くと胸に入って行く。
月の大精霊セレネも一緒だ。
「さぁ、帰ろう」
森にいた皆が光に包まれる。
「え?!誰かが魔王を倒したのか?」
悟はモンスターを倒す手を止めて空を見た。
「いったい誰が?」
「え?うそ!」
「やった!」
「か、帰れるんだ!」
「みんな!やったぞ!」
とクラスメイトは喜び泣いていた。
「お、俺は帰れるのか?!」
オークソルジャーの内藤は涙が溢れ、自分は帰っていいのかと考えていた。
「この職業よ!消えていてくれ!」
内藤は天に向かって叫ぶ。
王城では、
「え!嘘だろ!嫌だ!帰りたくないぞ!」
と臼井はベッドにしがみついていた。
そして王城では光の柱が立つのを見て魔王が倒されたことを知る。
「誰が魔王を倒したのじゃ?」
「それよりもようやくこれから王国のために頑張れますね」
「そうじゃのう、わしの代でこんな事になってしまって申し訳ないが。これからじゃのう」
「そうです!これからです!」
と王と宰相は涙を流す。
騎士団長はその光を見て自分の世代は終わったのだと思った。
「我は引退する」
「え?」
「団長!」
「もう決めた事だ」
と言って自身の身の振り方を考える。
俺は何か残せたのか?
魔王討伐の光は立ち上り、そして消えていった。
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