第4話 盗賊と異世界の価値観
荷台から降りると門兵に、
「よしと!こいつら盗賊だから捕まえた。どうなる?」
「ん?盗賊か、身分証はないのか?」
と門兵が言うので無いという。
「それじゃ中のギルドで取ってきなさい」
と言われたので俺だけ取りに行く。
他の二人は待ってるようで話を進めている。
街に入ると大通りには人が多いが、まぁ、王都に比べると少ないのでサッサと通り抜けながらギルドまで歩いて行く。
剣と盾の交差した看板にギルドと書いてあったので入って行く。
中央に受付があり、右側は酒場の様になっていてもう飲んでる奴がいるな。
とりあえず中央の受付に行きお姉さんに、
「ギルド証を作りたいんですが?」
「はい、それでは、こちらに書いて出してもらえますか?」
簡単に名前と職業、使用武器などを書いて渡す。
「それではこの水晶に手をかざしてください」
手をかざすと青く光って、
「はい、完了しました!これがギルド証になります。説明入りますか?」
「あ、お願いします」
「はい、ランクがFからSまであって、ランクにより受けれるクエストが違ってきます。Fランクから始めなので薬草採取、ゴブリン討伐などが受けられます。ギルドに貢献して行くとランクアップするので頑張ってください」
とお姉さんは噛まずによく言えました!
「はい、ありがとうございました」
と帰ろうとするが目の前には大男が、
「おい、お前金持ってそうだな!金を渡せば通してやるよ」
とガタイはいいが酔っ払ってる大男が出てきた。
「グスタフさん!何回目ですか?ギルドを首になりたいんですか?」
受付のお姉さんもあぁ言ってるけど?
「あ?俺はこの街で1番のCランクだぞ?首にできるもんならしてみろや!」
凄いな、Cランクってそんなに偉いのか?
収納するとレベルとスキル『上級棒術』『索敵』『撲殺』を取って排出する。
「ん?なんだ?」
「じゃあ僕はこれで!」
「待てってゴフッ」
と言ってきたので肘鉄をかますと鳩尾にいいのが入ったな。
「倒れたみたいですがそのままでいいですか?」
受付のお姉さんに一応聞いておく。
「は、はい」
「それじゃ!」
と木のドアを押して外に出る。
サッサと人を避けながら門に行くと大体が終わっていた。
「どうだ?取ってきたか?」
「おう!これでいいでしょ?」
カードを渡すと、
「よし、確認した。こいつらは売人だから終身奴隷だ。金はその子に渡しておいたよ」
「はい、これは貴方のです」
と渡してくるので、それで服でも買いなよと2人に渡してやる。
「い、いいんですか?」
「金に困ってないからね」
それよりも自衛できるようにした方がいいでしょ?
「私はティアと言います。今回はありがとうございます」
とエルフの子が言う。
「わたしはアリスです。ありがとうございます」
と2人とも礼儀正しくお辞儀をするので、
「ケントです。どうも」
妙な空気に3人で笑って今日はこの街に泊まることにする。
2人はまだ先の街らしいので荷馬車も置ける宿にする。
ここがどのあたりなのかがわからないが、アリスに聞くとアルメラと言う街のようだ。
「へぇ、じゃあ2人はまだ先なのか?」
「はい!そこまで遠くはないですが馬車で十日ほどかかりますね」
十日もかかるのか、まぁいいか。
「それじゃあ明日からまた旅だな」
「はい!」
「俺もついて行っていいか?」
2人だと心配だからな。
「もちろんです」
と晩飯を食いながら喋っていると、
「おう!そのエルフはいくらだ?」
と汚い男が口を出してくる。
「あ?お前は喋るな!」
「なんだと!この小僧がガッ」
「それ以上喋ると斬る」
喉元に剣を置いてあるので後ずさって尻餅をつく男。
「やるのか?」
「い、いや、悪かったよ!」
と自分の席に戻って行った。
ここではエルフはそう言うことの対象なのか?
「すまんが俺はこの国に疎いから色々教えてくれるか?」
そうだった。色々と聞いておかないとな。
「はい!」
「まずは俺たちは何をされそうになったんだ?」
「え?あ、あぁ、奴隷商に売られそうになってました」
「奴隷?!そんなのがあるのか?」
「はい、特にエルフは高く売れるそうで」
「はぁ」
やっとさっきのやつが言ってる意味がわかった気がする。
「だがそれは違法じゃないのか?」
「違法ですけど裏で取引されるみたいです」
「はぁ、そうだったのか」
「本当に知らないんですね?」
「あぁ、こっちにきてからあまりそう言うことは教えてもらえなかったからな」
くそ!あの宰相め!
それからも色々聞いて部屋に入って寝ることにした。
が、まぁ、お決まりのパターンかな?
「やっぱりきやがったか!」
「けっ!さっきはやられたがこっちは5人だ!やっちまえ!」
「収納」
5人を収納し、レベルとスキル『中級剣術』『中級短剣術』『初級火魔法』『中級体術』『中級暗殺術』『中級弓術』と金を取って排出する。
「ん?や、やっちまえ!」
「ま、まて!なんかおかしい!」
「こっちは素手でやってやるよ!」
「げっ!何でステータスが!あがっ!!」
「オラァ!」
「グフッ!」
「ま、まってくゲヘッ!」
と倒れた3人に腰を抜かしてる2人。
「ほら、早く連れて帰ってくれるか?」
「は、はひぃ!!」
と3人を引きずりながら下の階に逃げて行った。
「だ、大丈夫ですか?」
「うん、これくらいはね。あとは来ないと思うからおやすみ」
「はい!おやすみなさい」
と言ってようやく俺も部屋に戻り休むことにする。
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