第22話 3ヶ月とダンジョンコア
俺が大学入学を辞めて1か月が経った。
「今日も行くの?たまには休んだら?」
母さんは心配しているが、別に苦でもないしなんなら遊びに行く感覚だ。
「大丈夫だよ、ファフもいるしさ」
「そうじゃ、任せるのじゃ」
「はぁ、分かったわよ。本当にもう」
「じゃあ行って来ます」
「行って来るのじゃ!」
と言うと外に出る。
あれから3か月でだいぶ世間も変わってきた。ゴブリンなんかは大体が自衛隊、警察、後は勇敢な市民によっていなくなった。
あるのはダンジョンの入り口だけだ。
そして早くから施行されたギルドの設置と冒険者登録。これにより、冒険者は管理されダンジョンに入ることが許された。
世界中で何万人と言う死者を出しながら、ダンジョンを消滅させながら管理できるまで減らすのはさすが自衛隊だな。
これにより都道府県に二か所から三か所、ダンジョンを管理するギルドが併設される。
そして、ダンジョンによってもたらされる魔石をエネルギー化した父さんの会社は経済産業省に届出を出して国に認可され、ダンジョンエネルギーは世界中に知れ渡ることになった。
世界はいまやダンジョン無しでは考えられないほどになっている。
魔石エネルギーをいかに取り込んでいくかを模索している企業があれば、医療関係も回復魔法と言う魔法があることによって医師と同じくらい回復魔法師が活躍している。
鍛治士も出来て服や靴なども流行りが出て来ている。
そしてオーク肉などの食料まであるので、ダンジョンは多くの経済効果を生み出している。
そしてクランの設立、冒険者が立ち上げる会社のようなものまで出来ている。
大きなクランになるとやはり影響力もあり、注目されるようになっている。
と、まぁ、3か月でここまで進んでいるのはやはりアニメなんかの異世界物が影響しているのだと痛感せざるを得ない。でないとこんなに色々なアイデアは生まれてこなかっただろう。
で、俺たちはと言うとダンジョンに毎日のように入っている。
「今日はどの階層まで行くのじゃ?」
「ん?まぁ、また最下層までで良いんじゃない?」
俺たちはここのダンジョンの最下層まで行き、宝箱をもらって帰るのを繰り返していた。
「まぁ、ここのダンジョンもだいぶ育ったからそれなりにやりがいはあるんじゃない?」
「まぁのぉ、じゃが変わり映えしないのぅ」
「それはしょうがないかな、そろそろ別の場所にする?」
「どこかあるのか?」
「んー…無いか」
「それじゃあどうするのじゃ?」
どうしようかなぁ、やっぱりあれかな?
「作るか?俺たち専用のダンジョンを」
「は?」
「ダンジョンコアはあるんだから作れるだろ?」
ダンジョンのコアはある。まぁファフと潰して回ったし、ファフのいたダンジョンコアも持っている。
「作るか…だがそれはいいのか?」
「んー、非合法になるからよくはないかな」
「それではダメだじゃろ」
「うーん、良いアイデアだと思ったんだけどな」
逆に怒られてしまった。
まぁいつもの場所に行く。
愛知県の岡崎ギルドだ。
愛知県にある3か所のギルドの内の一つになる。あと2か所は名古屋と豊橋にある。
「あ、西園寺くん、おはよー」
受付のお姉さんが挨拶してくる。
「ん?おはようございます」
「我もいるのだが?」
とファフが言うが無視だ。凄い度胸だな。
「西園寺君、今度お姉さんと飲みに行かない?」
「俺、未成年ですよ?気持ちだけありがとうございます」
と言って中に入っていく。
「けっ!あやつは好かんのじゃ!」
「あはは、まぁまぁ」
受付のお姉さんは俺を気に入ってくれてるみたいだがまぁそれは良いか。
ここしかギルドがないと言うかやはり他のギルドが離れているので、クラスメイトもいるが気にしてはいない。
別に話しかけて来ることはないのでそれでいい。
さて、カードを通してダンジョンに入って行くと、やはり1階層は人が多いので転移石で10階層まで飛ぶ。
ダンジョンに入ってすぐの場所に石柱があり、それが転移石と呼ばれる。
ここのダンジョンは今の所50階層までだ。
「オラァ!とう!」
「ソラよ!」
と2人で倒しながら石造りの迷路のようなダンジョンを進んでいく。
まぁ道も覚えているのでスイスイと下に降りて行く。
途中のセーフティーゾーンでお茶をする。
「はぁ、歯応えのないモンスターどもじゃのう」
「まあね、でもそれなりに宝箱も出てるし今日はいい方じゃない?」
と収納にはドロップ品が山のように入っている。流石に毎日来すぎだな。
と最下層の50階層まで行き、オーガキングを倒すとダンジョンコアが出て来る。
「あ、ちょっと試して良いかな?」
「なんじゃ?」
俺は収納からダンジョンコアの小さいのを出すと『合成』でダンジョンコアに近付ける。
「それは出来るのか?」
「ん?わからないから試しだよ?」
するとダンジョンコアにダンジョンコアを合成すると、その場からダンジョンコアは無くなり、下に行く階段ができた。
「「おぉ!」」
「凄いことを思いつくのぅ」
「あはは、これでまだ下ができたね!」
と言って下に降りて行くと、そこはフィールド型のダンジョンになっており、青空が見え、下は草地になっていた。
「ほぉ!ここはモンスターが丸見えじゃのう!」
「だね!新しいモンスターはいないかな?」
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