第8話 ドラゴンと空
40階層手前で休憩していると、銀色のスライムを発見する。
瞬歩でなんとか収納できたが少し動いただけで素早く逃げようとしていたので捕まえられてよかった。
レベルは低いが、『経験値増加』『幸運』『疾風』『物理攻撃防御』『魔法攻撃防御』『全耐性』とスキルがえげつなかった。
全てを奪い排出すると青いスライムになっていたので逃がすことにした。
まぁ、レベルは収納で上がるしスキルも、もう数え切れないほど持っているが、全耐性はありがたかった。
ボス部屋を開けると、オーガロードがいて、直ぐに攻撃して来たが収納するとレベル、スキル『棒術極』『瞬歩』『怪力』『耐火』を持っていたので取って排出する。
『ウガッ!』
「落とし物だ」
と金棒を投げ渡すと受け取ろうとして潰れたので首を斬るとオーガロードの剣、オーガロードの鎧をドロップ。
装備を付け替えていると宝箱が出ていたので鑑定すると罠はないようだ。
開けると聖剣サヴァイブが出て来たので収納する。
まだ聖剣を使うような敵には会っていないからな。
それよりもやはり収納と排出だけでこれだけ強くなれるので、チートだったのだろう。
最初に
やってもいないことを決めつけるのはやめようと思い、もしかしたらまだ発見出来ていないチートスキルがあるかましれないのだから。
50階層に着くと大きな扉で今までになくデカい扉だ。
開くとドラゴンがいた!
「うおっ!ど、ドラゴンかよ!」
『なんじゃ、珍しいのが来たな』
「喋るドラゴンか…」
『お前は別の場所から来たのであろう?』
「な、なんでわかるんだ?」
『魔王が復活したから勇者が召喚されたのであろう』
「そう見たい、本当に魔王がいるんだ?」
気怠げに竜は鼻息を鳴らすと、
『あやつはいい加減どうにかせんといかんのじゃがな』
「ん?と言うと?」
『復活の度に次元の扉が開いて勇者を召喚しとるが、その度に勇者のきた世界が壊れて行っとる』
「は?」
寝耳に水だ、そんなこと聞いてない。
「どう言うことだ?」
『ここにダンジョンがあるように、その世界にもダンジョンが出来て、力無き者は死に絶える』
「そ、それじゃあ地球にも!」
『そう言うことじゃな、まぁ魔王を倒せば元の時間に戻るからお主らが困ることはないと思うが』
「いやいや、困るよ!ダンジョンが出来ちゃうんでしょ?」
『我に言っても…それに今までの勇者が封印までしか出来ておらんかったからのう』
封印?倒すのではなくて?なんでだ?
考えていると、竜は難しそうな顔をして、
『魔王が倒せないのはあやつのスキルじゃな、倒したと思わせて休眠するのじゃ』
「えー!」
『もちろん勇者達を送還しよるからタチが悪い』
「はぁ、そりゃみんな倒したと思うよね」
『まぁ、ダンジョンが出来た世界は悪いことだけじゃない、この世界のようにな』
「あぁ、皆んなにスキルがあればだけどね」
と竜と話をしているが、ちょっと疲れたなっと俺は座り込み。
「なんか食べる?ネット通販で出すけど?」
『我にか?不思議な奴じゃのう、どれ、久しぶりに人化してみるかのぉ』
竜は銀髪で金色の目をした綺麗な女の人になった。
「うおぉ!凄いね!綺麗な女の人だ」
「あっはっは!そんなに褒めるでない」
と笑う竜は俺の目の前に座る。
「んじゃ何食べたい?」
「んー、甘いものが食べたいのぅ」
「分かった」
ネット通販でパフェを二つ買うと段ボールで出てくる。それを開けて竜に一つ渡してスプーンも渡す。
「ほぉ、見事なもんじゃのぉ、綺麗な食べ物だ」
「俺のいた世界じゃ普通だよ」
「では、いただくかのぉ、…ん!甘くて美味しいのぅ」
「でしょ?疲れた時は甘いものに限るからね」
「美味いのぉ」
と涙を流して喜ぶ竜が可哀想に思えた。
「俺は健人って言うんだけど、竜は?」
「我はファフニールと呼ばれておった」
「おった?なんでダンジョンに?」
ファフニールは悲しそうな顔をして、
「昔、時の賢者と言う男にダンジョンに封印されたのじゃ」
「酷いやつだね!」
「そうではない、あの頃は我ら竜の時代だったからのぅ」
「あー、ヤンチャしてたんだ?」
「そう言うことじゃ」
と笑っている。
「ここから出る方法は?」
「ダンジョンがなくなれば出れるがのぉ」
「そうなんだね」
この部屋を鑑定していく。
「何をしとるんじゃ?」
「んー、なんかないかなぁと…あった!」
そこには王国の紋章が刻まれていた。
「なんじゃそれは?」
「王国の紋章だね!」
王の証を使用して王国の紋章が光り、扉が出てくる。
「な!なんじゃこれは?」
「さぁ?俺にもわからないけど行ってみよう!」
と王国の紋章がついた扉を開けると、そこには綺麗な石があった。鑑定するとダンジョンコアらしい。
「ほぉ、綺麗な石じゃのぅ」
「これがダンジョンのコアらしい」
手を当てるとダンジョンコアが聞いてくる。
一、スキルを貰いダンジョンを出る。
二、宝を貰いダンジョンから出る
三、ダンジョンコアを取る。
もちろん三だ。
「ファフニール、外に出よう」
と手を差し伸べると手を掴み。
「出れるのか?」
収納にダンジョンコアを入れると俺たちは空の下にいた。
眩しそうにして空を見るファフニールは目が慣れて来て空の青さに感動して涙を流す。
「空はこんなにも高く青かったのじゃな」
「あはは、そうだね!そうだ、ファフニール、契約してよ」
「なんじゃ?ドラゴンナイトだったのか?」
「ん?スキルを持ってるだけだよ?」
「まぁ、いいじゃろう!汝の竜となろう!」
光り輝きファフニールと繋がりを感じる。
周りはダンジョンがなくなり飛び出して来た人間が多かったのでファフニールの手を引いて、
「さぁ、行こうか!旅をしよう!」
「分かったのじゃ!あまり走るでない」
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