第26話 駅弁とたこ焼き
半年後、電車も普通に動くようになり、今までのダンジョンを100階層まで育てたが、そろそろ別のダンジョンに行こうと遠征することにした。
「凄いのぅ!新幹線はこんなに速く走るのか!」
「まぁね、ファフとどっちが早いかな?」
「我に決まっておる!が、新幹線とやらもなかなか速いのう!」
と言ってはしゃいでいる。
駅弁は買ったがもう食べてしまったからな。
どこに行くのかと言うと大阪、道頓堀だ。
まぁ、ファフやセレネもたまには違う雰囲気がいいんじゃ無いかな?
新幹線で結構あっという間に着くと、改札を出てタクシーに乗って道頓堀近くまで行って、そこからはスマホのナビでギルドまで行く。
「美味そうな匂いがするなぁ!」
「あはは、あとでな?」
「そうじゃな!さて、こっちのダンジョンはどうじゃろう?」
すると男が通せんぼしてくる。
「よぉ、いいねェちゃんじゃねえか?ワレの姉ちゃんか?」
「は?俺の連れだけど、さっさと退いてくれない?」
「な!まじか!ほならワレ1人で行ってこいや?姉ちゃんはワイと2人でブヘッ!!」
と壁まで飛んでいく男。ファフは機嫌が良さそうなのにな。
「うん、弱いのじゃな!あれがここの冒険者なのか?」
「そうみたいだね、凄い音したけどあの人大丈夫かな?」
「なぁに、手加減はしといてやったのじゃ!」
「そ、なら大丈夫だね!」
と言って中に入って行く。
「うーん、やっぱり1階層はゴチャゴチャしてるなぁ」
「そうじゃのう。まぁ、道順がわかって良いがのぅ」
と前の人について行く。
10階層はホブゴブリン10匹だ。
「よっほっはっ!やあ!」
「何それ?」
「ん?ゲームのコンボを真似してみた!なかなか使えるぞ?」
「あはは!それで倒せるのが凄いね!」
「まぁ、飛び道具は出せぬけどな!」
『私なら出せますよ?」
あはは、セレネも戦うの?
『それも良いですね!』
と出て来ると、2人してゲームの真似をしだす。
「ぬぅ!セレネの魔法はズルっ子なのじゃ」
「あはは!いいでしょう?これは楽しいですね!」
まぁ楽しそうでなによりだな。
20、30階層と楽しく倒して行く。
俺は少し手を出しただけで、セレネとファフが殆ど倒している。
35階層のセーフティーゾーンで休憩して、セレネには戻ってもらい、40階層を目指す。
40階層はオルトロス、双頭の犬系モンスターだ。
「ウラウラ!」
「あっ!待ってよ!収納したいから」
「ま、まじかぁ、それじゃあ」
「収納っと」
レベルは別に良いや、『噛み付く』『ラッシュ』『双頭の遠吠え』だったので要らないな。
「あ、要らなかったからどうぞ」
と排出すると、
「よっしゃ!行くのじゃ!」
喜んでいるので良かった。
そして、50階層、
レッドドラゴンだ。
『我もドラゴンに戻るぞ!』
「って戻ってるじゃん!しかも相手の方が小さいし」
『本当じゃな、なら元に戻るのじゃ』
と言って人型に戻って戦うファフは楽しそうに戦うなぁ。
デカいドラゴン相手に負けていないと言うかラッシュかましているな。
「どうじゃ!10連コンボ!」
『ウガァァァァ!!』
「な!効いてないじゃと?」
「それはゲームの奴だからね?ゲージなんてないから」
「は!そうじゃった!」
と言って普通に戦い出すとすぐにレッドドラゴンは消滅して、ドロップに皮とツノと肉と魔石をドロップした。
結構ドロップするな!
宝箱が出て来て、開けてみるとマジックバッグにマジックリングが入っていた。
まぁ、収納行きだな。
とここまでらしいダンジョンはコアを出し、たまにはスキルでも貰おうとすると、
『確認』と言うまた特殊なスキルをもらった。
「なんじゃ宝じゃなくてスキルをもらったのか?」
「まぁね、これも使えそうだよ」
「なら良いんじゃが」
『確認』は『合成』後の確認をしたり、ダンジョンの階層確認などもできるようだ。まぁ、あって便利なスキルだな。
と言うことで1階層に戻って来た俺たちは買取に20階層までのドロップを出して、買取を待っている。
「ようねぇちゃんまっとったで!ワイら絆クブベッ!」
「あぁ、なんか言ってたのに」
ファフが殴り飛ばしてまった。
「ん?まぁ、別に大したことじゃないじゃろ?」
「んー、まぁそうだろうね」
と言って買取金を二つに分けてもらいカードに入れると外に出る。
「よし!たこ焼きと言うものを食べるのじゃ!」
「だね!セレネ?」
「はい!行きましょう」
3人で大阪の街を満喫することにした。
満喫してると男達に囲まれる。
「なんや俺たちの縄張りでデカいツラさげとるようやのぅ?」
「待てだよ?ファフ?」
「モグモグ」
たこ焼きを食いながら頷くファフとセレネ。
「よし、んじゃ話を聞こうか?」
「舐めとんのかワレェ?」
「はぁ、そんなんじゃないけどさ」
と言うところで、
「待て待て!お前ら相手が悪い!」
こっちに走って来たのは内藤?
「なんでですの?トップの知り合いですか?」
「トップ?」
内藤が?
「トップクランの絆や!それくらいブベッ!」
と内藤に殴られる男。
ふーん、クラン作ってんだな。
「西園寺、すまん!こいつらには良く言い聞かせるから」
「ん?まぁ、被害はないから別に」
「なんやトップの知り合いか!なら俺らの仲間イダッ!」
「やめろ!そんなんじゃない!俺はこいつには頭があがんない程の恩を受けてる!」
恩?そんなの与えたつもりはないけど?
「す、すいません!ほんますいませんでした!」
「西園寺!ごめん!せっかく旅行にでも来たんだろ?」
「まぁ、そんなとこだよ。んじゃ達者でな」
「お、おう!ありがとう!」
と言って内藤と別れる。
「あ!西園寺!」
「ん?」
「伊藤悟と会ったか?」
悟?
「いや、会ってないけど?」
「そうか、あいつも1人で苦しんでる…こんなこと言う立場じゃないけど、もし会ったら話くらい聞いてやってくれ」
「…はぁ、気が向いたらな」
「あぁ、ありがとう」
と頭を下げる内藤は泣いていた様だった。
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