第13話 帝国と古代遺跡


 帝国に入った俺たち3人?(ドラゴンと精霊)だが、街を散策して武器や防具、そして魔道具を見て回る。


 武器防具にあまり変わりはないが、魔道具は魔石をエネルギーとして火をつけたり、水を出すと言うもので、これを現代に持ち帰れば魔石エネルギーの研究に役立つはずだ。


 王国の宝物庫にあった魔道具は複雑だが、これなら簡単なので買っておく。


 収納に入れておけば良いだけだしな。


「そんな物買ってどうする?」

「いいの、後で絶対必要になるから」

 とファフに言い買った。


 それから外に出て帝都に向かう。


 この国は獣人やエルフも多く見られ、奴隷にあまり価値を置いてないようだ。


 まぁいないわけじゃないが殆どが犯罪を犯した終身奴隷だ。


「まぁ、犯罪を犯したのは悪いけど終身奴隷なんだな」

「罰は罰として受け入れた方がいいのじゃ」

「まぁ、そうだな」

 鉱山で働く奴隷を横目に通り過ぎ、街を出る。

 

 そこまで目新しいものはなかったが適正価格で売っていて好感が持てる街だったな。


 お次は帝都だ。


 ファフに乗ってひとっ飛びしたら着いたな。


 これまた立派な城だ、王国とまぁ同じくらいだな。

 それに活気があるな。王国もそれなりだったが、多種多様な亜人種?がいてまた違う活気だ。


「街はもう良いかな?それよりもモンスターはどうなの?」

「こっちは北の方になるから寒冷に強いモンスターが多いな。ウルフなんかも長毛種になるし」

「へぇ、そうなんだ。じゃあ違うスキルもまだありそうかな?」

「んー、似たり寄ったりの気がするけどね、それなら遺跡にでも行ってみるかい?」

「遺跡?良いねぇ!いこうか!」

 と言い街の外に出ると、ファフに乗って遺跡へと飛んでいく。


 遺跡は帝国から北に行ったところにあってこの遺跡が何だったのかはわからなかったが、

「ここは昔、ドラゴニアの国があったさね」

 と言うファフニールは遠い目をして遺跡を眺めている。


「ドラゴニア?竜人?」

「そう、昔はここに竜の国があった」

「そうなんだね」

「大昔の話だよ、でも人間…特にヒューマンの攻撃が激しくて。滅んでしまった」

 人間はなんてことをしているんだろう。


「でも滅びるべきなのは竜だったのかもしれない、まぁ少ないが竜はまだ生きてるしのぅ」

「滅んで良い物なんてないと思うよ。なにかしら影響力はあるんだし」

「そうさね、でもまたここに来れたのは健人のおかげだからね」

「あはは、ファフなら大丈夫さ、俺も着いてるしね」

「そうだね!さて元気出さなきゃね!」


 鑑定をして行く。

 

 ん?


 あれなんだろ?


 俺はそこに行く鑑定をもう一度かける。

 ここを押せ?

 押してみると横の石碑が動き宝箱が出て来た。


「「えっ!!」」

「何やったんだい?」

 とファフが驚いて走ってくる。


「いや、ここを押せって書いてあったから」

「そうかい、宝箱があるねぇ」

「罠はないみたいだから開けてみようか?」

 鑑定して罠はないことは分かってる。


「そうさねぇ、あけてみておくれ」

「俺が?いいの?」

「見つけたのは健人だからねぇ」

「分かったよ」

 と宝箱に近づき開けると、金色に光るリンゴが一つ入っていた。


「へぇ、珍しいものがあったもんだねぇ」

「なにこれ?」

「食べてみたらわかるよ」

「?うん」

 カリッと音を立て食べると瑞々しくて噛むごとに甘味が口いっぱいに広がる。


「こんなリンゴ食べたことないよ!」

「それは元々はドラゴニアが、今はハイエルフが大事に育てる禁断の果実、神の実、『ディーティアップル』だよ」


「え、そんな大切な実なの?食べて大丈夫?」

「なーに、寿命が伸びるくらいさね」

「え、えぇ!それってどれくらい?」

「さぁ、千年くらいかねぇ?」

 うぉ!まじでか!


「うそ…何てものを食べさせたの?」

「健人とは長く一緒にいたいからね」

「うーん、…まぁ良いか、食べちゃったものはしょうがないか、そんな効果消えてるかもしれないしね」

「あっはっは、そうかもねぇ」

 と笑うファフ。


 まぁ寿命が伸びたならそれはそれでアリかもね。


「さて、遺跡に来たけど他になにか…あったねぇ」

「まぁ、ドラゴニアが作ったカラクリだよ」

「それにしてはでかいなぁ」


 そこにはゴーレムがいた。


 すぐに瞬歩で収納する。

 レベルと『頑強』『再生』を取ると排出する。


「ソラヨット!」

“ガシャーン”と言ってゴーレムは崩れてしまい動かなくなった。


「ハァ。すごいもんだねぇ」

「これが俺のスキルだからね」

 ゴーレムの中から核となる宝石のようなものを取り出すファフは、

「これがゴーレムの核さ、持っておきな」

 と放り投げてくるのでキャッチして収納する。


「うん、分かったよ」


「それじゃあ西の森にでも行ってみるかね?」

「うん、そうだね!」

 ファフはドラゴンになると俺を背に乗せて一鳴きする。


『さぁ、行こうか』

「うん!」

 とても悲しそうで、でも誇らしげに鳴いたファフは羽ばたくと上空に上がり遺跡を一眼見てから西の森まで飛んだ。

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