第12話 死の森と精霊の泉


 さて、死の森に行く前にまずは腹ごしらえだ。ネット通販で弁当と肉の塊を買うと、

「おおっ!これは美味そうな肉じゃの!」

「奮発して買ってみたよ」

 フライパンも買って少し焼く。


「いいのぉ!レアな肉がいいのじゃ!」

 と言うからそれで出してみる。


「うっまぁ!美味いぞ健人!」

「あはは!喜んでくれて嬉しいよ」

 と人間の体で満腹になったみたいでよかった。


 食休みをして、ファフに乗って死の森という場所に行く。


 広大な森が見えてくると、

『ここら一帯が死の森じゃ!降りるぞ』

 と降り立つといきなりベヒモスが突進してくるので収納!


 レベルと『フォトン』『耐震』『激怒』を取って排出、倒して解体しておく。


 解体中も色んなモンスターが襲いにくる。


 全て収納し、一体づつ処理していく。


「凄いもんじゃのう」

 とチョコレートを食べながら見ているファフ。


「これでも手一杯なんだけどね!」


 次から次に来るから収納ばかりになってしまうが、勿体無いから解体しないとね。


 レベルもスキルも溜まっていく。


「のう?また甘い物が食べたいんだが」

「ん?んじゃ、次は大福とか和菓子にしようか」

「おう!何でもいいぞ」

 と和菓子セットを注文すると、いそいそと開けて中を見て喜ぶファフ。


『解体』スキルも上達していくと極めまであるみたいで、ようやく上級に上がってスピードが速くなった。


 やはり使い続けるのがいいみたいだな。


「さて、腹ごなしに我も手伝ってやろうかのう!」

「あはは、大体は収納してみたけど、また珍しいのがいたら残しといてよ?」

「分かったのじゃ」

 とファフは来るモンスターを人型で倒している。


 もちろん素手で。


「凄いなファフは!素手でも強いなんてね」

「まぁの!もっと褒めてもいいぞ!」

 と森の中で暴れる竜と解体する俺達に向かってくるモンスターがいなくなった。

 

「んじゃちょっと珍しいのを取って来てやる!」

 と出て行ったファフを待つと、フェンリルとライガーと言うモンスターを連れて来た。


 収納してレベルと『月光牙』『月光纏い』『一撃』『雷光』『疾風迅雷』『雷纏い』などが取れたので排出してトドメを刺す。


「よし、解体だな」

「我は暇になってしまったぞ?」

「そうかぁ、じゃあ少し寝てて?終わったら起こすよ」

「そうするとしようかの」

 と森の中で眠る龍を起こしに来るものはいないので素早く解体していき、『解体極』になった。


 これで余すことなく解体して使えるな!


「ファフ、終わったよ?」

「ふわぁぁ!ん…そうか、終わったか」

 とまだ眠そうなファフだが、

「そうじゃのう、あとは精霊なんかも見るか?」

「あ!そうだね精霊契約したいね」

 精霊契約もあったからな。


 ファフはドラゴンになると湖に連れて行ってくれる。


「ここが精霊の泉だ、自分にピッタリの精霊が出てくるはずだ」

「そうなんだ、じゃあよろしくお願いします」

 と言うと出て来たのは女の人で綺麗な長い金髪に羽が生えていて、おっとりとした感じの美人だな。


「私は月の大精霊セレネ、私をお呼びで?」

「はい!契約をして欲しいんだけど」

「それでは力を見せてもらいます」

 俺の胸にセレネの手が触れる。


「契約を履行しますね」

「え、いいんですか?」

「はい!喜んで」

 月の大精霊と契約を交わした。


「良かったな!健人!」

「そうだね、よろしくセレネ!」

「はい、よろしくお願いしますね」

 と言うと俺の胸の中に入って来た。


『これで貴方と一心同体です』

「へぇ、こう言うことができるんだね」

 セレネの情報が流れ込んでくる。


「じゃあ次はどこに行こうか?」

「そうじゃな、帝国にでも行ってみるか!」

「へぇ、王国だけじゃないんだね」

「そりゃそうさ、人間は群れを作るからな」

「まぁそうだね」


 群れを作るか、他の生物から見るとそう言う事になるんだなぁ。


 まぁ、俺は群れから外れちゃったんだけどね。


 ゆっくりと見て回りたいが、世界は広いからな。帝国に行ってみよう!


「じゃあファフ!よろしくね」

「任せるのじゃ」

 と大空に羽ばたき、その白いドラゴンは高く登って降りるように翼を広げる。


「今日もいい天気だね!」

『そうじゃのぉ』

『月も綺麗に見えることでしょう』

 セレネは俺の胸の中でそう答える。


 何だかむず痒い気がするけど綺麗な声だ。


『ありがとうございます』

 ハハッ!これで聞こえてるんだね!

『はい』


 ファフと喋ったりセレネと会話していると新しい大陸が見えて来て、

『あそこが帝国じゃ、まぁ、そろそろ降りようかのぉ』

「うん!そうだね」

 と言って帝国に入ると次の街まで行く。


 気候も良くていい気持ちだ。

 ただ、少し乾燥してるかな?


 次の街まで歩いていく。

 通行証はギルド証でいいみたい。


「へぇ、ガラリと変わるね」

「そうじゃのう、王国は石畳か土じゃったからな」

「ここはレンガかな?」

「そのようじゃのう」

 宿屋に入って2人部屋に泊まる。


「セレネ?甘いものでも食べる?」

 と言うと外に出て来て、

「良いんですか?」

「うん、何が良いかな?ケーキにしようか」

 ケーキの詰め合わせを注文する。


 ファフは慣れたものでダンボールから取ってくると、箱を開けセレネと2人で見て、どれを食べるか決めているようだ。


「我はこれとこれと」

「選びすぎです!私は初めてなんですから、コレとコレと」

「ダメじゃ!」

 とワイワイ決めているな。


「お、いしぃー!」

「甘くて美味いのぅ!」

 やはり女の子は甘いものが好きなんだなぁ。


 女の子?まぁ良いか。

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