第18話 ステータスと会社


「よしっと!」

「ほれ!よっと!」

 俺たちはゴブリンを倒しながら帰っている。


「多いなぁ」

「そうじゃのう、それよりも道が平らで歩きやすいのぅ!」


「あはは、あっちは土か石畳とかだからアスファルトは珍しいかもね」

「それにさっきから横を通って行く物に人間が乗っとるが、あれは馬車か?」

 みるもの全てにワクワクしている様だ。


「あれは車って言って走るのに馬入らないんだよ」

「ほぉ!そんなものがあるのか!凄い世界じゃのぉ!」

 とゴブリンを倒しながら喋る。

 もうすぐ俺の家が見えてくる。

 二階建ての普通の一軒家だ。


「ただいま!」

「健人!逃げてぇ!」

 俺は直ぐに剣を出してゴブリンを斬り倒す。


「母さん、大丈夫?」

「け、健人?何それ?」

 母さんは怪我はないみたいだな。


「ん?これは剣だよ?」

「あ、危ないわよ!そんなもの持って!」

 と剣を触ろうとするので収納する。


「あはは、母さん、大丈夫!あとは俺がなんとかするから」

「え?け、健人なの?俺って」

「俺は健人だよ、だけど後で話すけど、凄い旅をして来たんだ」

「健人…分かったわ、後で話をしてね」

 母さんは腰が抜けてるみたいで立てないようだな。


「よいしょ、こっちに座ってて」

 母さんを抱いてソファーに座らせる。

「え。あ、うん」

「ファフ!入って来ていいよ!あっ!靴は脱いでね!」

「お主も靴を脱いではおらぬではないか」

「あ、やべっ!あはは」

 と靴を脱いで玄関に置きに行く。


 ファフも靴を脱いだ状態になって中に入ってくる。


「誰かお友達?」

「それも後で話すけど友達だよ」

「分かったわ」

 と母さんをソファーに座らせて、ガラスが割れてるから収納して綺麗にする。


「え!えぇ?!」

「お、健人の母さんかや?お邪魔するぞ」

「あ、はい」

 と母さんとファフが話をしている。


 その間に窓を収納してサイクロプスの皮でガラスがあった場所に『合成』する。

 そして窓を元あった場所に戻す。


「一応、応急処置は完了かな?」


「そうだ、母さん、ちょっと我慢してね」

「え?」

 収納して『上級短剣術』をつけて出す。


「ん?」

「これ、母さんに渡しとくね」

「これは刃物じゃないの!」

 母さんは怒るが渡して、

「そう、ダガーって言うけど使い方はわかるはず」

「え?え!あら?なんで?」

「これでゴブリンが来ても大丈夫だね」

「ゴブリンってさっきの化け物?」

「そう、今は父さんを迎えに行きたいから時間がないけど、1番弱いモンスターだからそれがあれば大丈夫だと思うけど?」


「そ、そうね!母さんは2階に隠れてるわ!」

「あはは、それが一番いいかもしれないね」

 母さんは怪我もないようだし、2階にいればゴブリンも上がってこないだろ。


「よし!父さんを迎えに行こう!」

「分かったのじゃ」

「気をつけてね!大丈夫?」

「大丈夫だよ!俺って結構強いからね」

「我がいるから問題ないぞ」

 玄関に鍵がかかるのを確認してから、

「走るよ!」

「なんじゃ!乗っていかんのか?」

「ここで竜になったら大変だからね!」

「そうなんじゃな」

 と納得したところで2人で走って街の方まで行く。


 途中にいるゴブリンは蹴散らして、走る。


「のう?やっぱり乗ったほうが?」

「だめだよ?まぁ、直ぐ着くからさ!」

 と走って向かう。

 まあ、車よりも早いから問題ないでしょ。


「あ、あそこだ!オラァ!」

「ぬぅ!健人ばかり!」

 会社はバリケードのようなものがしてあってゴブリンが集まっていたので一掃した。


「と、こんにちわ!西園寺はいますか?」

「え!は、はい!西園寺さんの息子さん?」

 と女の人が聞いてくれる。


「はい!西園寺健人といいます」

「な、なら早く言ってあげて!2階にいるから!」

 となんだか焦っているようなので2階に走っていくと、父さんは横になっていた。


「と、父さん!」

「け…んとか」

「ヒール!」

「…ん?あ、あれ?痛みが」

「良かった!エリアヒール」

 まだ、たくさんの人が倒れていたので広域回復魔法を使う。


「健人?これは?」

「ちょっと待ってね」

 と収納して『上級槍術』をつけて排出する。


「ん?」

「これを使って」

 と槍を渡す。


「なんでこんな物を?いや、使えるな!」

 と父さんは槍を少し振るう。


「でしょ?」

「よし、健人はここにいろ!父さんは今から化け物を追い払ってくるから!」

「あぁ、俺も行くし!」

「お前も戦えるのか?」

「うん!一緒に行こう!」

「よし!ついて来なさい!」

 と先頭で外に出て行く父さんの後を追う。


 ファフは無視されていたみたいで膨れているが、ついて来ている。


「父さん無双が始まってるな」

「健人の父は戦闘狂か?」

「さぁ?でもカッコいいね」

「どうせ上級あたりをつけたのじゃろ?」

 笑って俺たちもゴブリンを倒して行く。


「のう、健人!他の者も戦わせなくていいのか?」

「そうだね、捕まえて倒してもらおう!」

 と言って会社の前までゴブリンを捕まえて持って行く。


「ひぃ!な、なんでこっちに持ってくるの?」

「これで倒してみてください」

 と剣を渡す。


「え?え!」

「大丈夫ですよ、捕まえてますから」

「わ、分かったわ!ええい!」

 ゴブリンは倒されて消滅してドロップの魔石を落とす。


「た、倒せたわ!」

「ステータスって見れます?」

「え?え!何これ!」

「なんて書いてあります?」

「え、名前と職業が、え?剣士?で、スキルが剣術」

 ほぉ、最初からいい人が出て来たな。


「ではその剣の使い方は?」

「わ、分かるわ!よし!私も!」

「待ってください!皆んなにも教えて下さい!ゴブリンは持って来ますから!」

「分かったわ!みんな!」

 と走ってみんなを呼びに行くので、新しいゴブリンを捕まえに行く。

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