概要
【伝奇】刃文で踊る贄の貌は仇を討てよと剣士を誘う
斬られし者の魂を刃紋に浮かび上がらせ、凄絶に妖しく輝く魔性の刀、喘月。その刃紋に魅入られし者は、新たな美を求め人を斬る殺刃漢と化す。
鎌倉相州の時代に生み出されし妖刀は、数多の魂を贄に、いま最高の輝きを求め将軍徳川秀忠に献上されようとしていた。将軍が呪われれば世は再び戦国の世に。
妖刀の呪いを解くため、ひとりの男に白羽の矢が立つ。
「かつての遣い手を討てば、魂も天へと還り呪いも霧散する、か。この柳生宗章、しかと承知仕った。――」
鎌倉相州の時代に生み出されし妖刀は、数多の魂を贄に、いま最高の輝きを求め将軍徳川秀忠に献上されようとしていた。将軍が呪われれば世は再び戦国の世に。
妖刀の呪いを解くため、ひとりの男に白羽の矢が立つ。
「かつての遣い手を討てば、魂も天へと還り呪いも霧散する、か。この柳生宗章、しかと承知仕った。――」
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!刀は人の命を奪う。況や妖刀をや。
徳川将軍に忠節の証として贈られた刀。
その刀が人を惑わし、人斬りへと変えてしまうものだったことから始まる、妖刀の呪いを祓う物語です。
主役である柳生宗章は、史実では物語の時点では壮絶な戦の末に討ち死にしているはずの人物。柳生流を体現するかのような人柄で、飄然としていながら抜き身のような危うさを持っています。
かれが弟の依頼を得て、妖刀の来歴に触れながら日ノ本を旅して回るという筋立て。
そして同行するのは二体の鬼。
もうこの時点でワクワクが止まりません。
歴史、あやかし、剣戟。これらが渾然一体となって血なまぐさくも素敵な世界を組み上げています。
ご一読を、是非に。心よりお勧めします。