概要
男の上役は、「命」を持たぬものに対し、何よりも大事な「命」を貸し付ける。
かと言って、貸した命を回収すれば、それはただの死神だ。
男が債務者から回収するのは、命ではなく、男が指定する「音楽」だ。
かくして、男のもとに様々な音楽が奏される。
高利と見るかどうかは、あなた次第。
<主な登場人物>
♬音廻卓渡(おとめぐり たくと)……「命の音」の回収人。なぜかいつも燕尾服。
♬黒玉ちゃん……卓渡のバディ。マルチに活躍。有能。
※主にクラシック音楽の有名な曲を扱っています。クラシック以外のワールドミュージック(民族音楽)も。
登場曲の動画を集めた記事をnoteに作成しました。
https://note.com/kurosutomoka/n/n8fcd33e2a479
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!温もりを奏でる音楽×現代ファンタジー
この世界で暮らす人々には、生まれながらにして「卵」の形をした「相棒」がいる。ただし、中には持たない人間もいて――そんな人々を、新たな「相棒」と廻り合わせて、対価として指定した「音楽」を回収することが、主人公・音廻卓渡(おとめぐり たくと)のお仕事です。
「音楽」の回収に向かった先で、卓渡はさまざまな葛藤や思いを抱えた人たちと出会います。彼らが奏でる音楽は、日々を生き抜いてきた力強さに満ち溢れたものもあれば、自分の存在意義を定めていく途中のものもあり、他者との交流に悩みを抱えた中で生まれた音色もあれば、他者と関わり合ったからこそ生まれた音色もある……優しく温かく展開されていくドラマに、穏やか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音が文章から聞こえてくる。読み進めずにはいられない。
色や音を精細な背景に乗せて、さらに細かい工夫を重ねた演出で作品の魅力が引き上げられており、音が文章から聞こえてくるような感じがします。
主人公は、物語の前半では葛藤を抱えているというキャラクター達が一歩前に足を踏み出す手伝いをしており、後半は皆と同じ目標に向かい、それぞれが一緒になって成長していく構成になっています。
盛り上がりという点では、後半からは止まるとこなくラストまで加速し続けていく感じでしょうか。
読んでいて先の展開が見えてしまったとしても、読みすすめずにはいられない魅力があります。
ぜひ一読してみて下さい。 - ★★★ Excellent!!!堪能してください!これは文字で楽しむ音楽です!
音楽が好きな人には、必ず読んで欲しいと思う作品です。
人は生まれた時に卵の形をした相棒と共に生まれてくるという世界でのお話し。
稀有な存在である、黒い卵を相棒に持つ青年、卓渡は「回収屋」。
ごく稀に生まれる卵を持たない子供に、機能停止してる卵に命を吹き込んで提供し、そして成長したらその卵を回収…ではなくて、『音』の回収をします。
卓渡はこの仕事を通じて様々な素敵な音楽家と知り合い、彼等の人生と、心に響く音楽に触れて、やがて…
後半、卓渡が知らなかった驚くべき事実が分かって、ビックリしますよ。
それから、たまごちゃん達がとても可愛いので、これも必見ですね♡
でも、何より、このお話で堪能…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音が廻って人を繋ぐ
生まれてくるとき人はみな「卵」を抱えている。その「卵」は一生涯を共にする唯一無二の相棒。そんな独特な世界観を持った作品です。
回収屋・音廻卓渡の仕事は、「卵」を持たずに生まれた人に、新しい相棒を提供してあげること。その対価として回収するのが、債務者が奏でる「音」なのだ。
ピアノやチェロなど聞いたことのある楽器、名前だけは知っている楽器、名前も形も見たことのない楽器、様々な楽器の登場にわくわくさせられ、新しい知識にも出合えます。
作中で演奏される曲もクラシックや民族音楽などバラエティ豊かで、聞きながら本作を読むとより世界観が広がっていってとても楽しいです。
曲に作曲者の想いが詰まってい…続きを読む