概要
『共鳴糸エンゲージメント』ラストより数ヶ月後ぐらいのエピソード。
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名古屋駅から名鉄あるいはJRで二駅。金山総合駅の程近く、とある雑居ビルの二階に、非現実の世界で起きた事件を解決する探偵事務所がある。
そこで助手のバイトをしている男子大学生・服部 朔(はっとり はじめ)は、探偵・樹神 皓志郎(こだま こうしろう)の手伝いで、依頼のあった怪異事件の調査を行う。
今回の依頼人は、服部と同じ部に所属する女子の先輩。
愛犬の死後から夢の中で知らない童歌が繰り返し聞こえるようになり、現実をも蝕み始める。
いつか忘れられゆく童歌は、何を暗示しているのか。
※実際に尾張地方にある事象などを題材としてい
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- ★★★ Excellent!!!過去を偲び、今を「生きる」者たちの、美しい弔いの物語
本作は、作者さまの『なごや幻影奇想シリーズ』の短編です。ご存知の皆さまは、お馴染みの面々と嬉しい再会を果たせます。シリーズを未読の皆さまも、ご安心ください。本作からシリーズに足を踏み入れる方でも、物語を存分に楽しめます。
主人公・服部朔くんのアルバイト先は、非現実の世界で起きる現象を専門に扱っている探偵事務所。今回の事件の依頼人は、服部くんと同じ部活に所属している女子の先輩です。
先輩の愛犬が亡くなってから、今まで知らなかったはずの童謡が、繰り返し聞こえるようになる――先輩の日常生活を蝕んでいく怪奇現象という謎は、やがて服部くんたちの調査によって、徐々に繙かれていきます。そして、彼らの目で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼岸の怪異と、そしてやはり名古屋メシ
シリーズファン垂涎の短編にして、シリーズ入門編としても高い完成度を誇る一作です。
入門編としておすすめできるポイントは、まず短編であること。
本シリーズは短編連作です。それぞれの事件ごとに、事件発生→依頼→名古屋メシ→調査→名古屋メシ→怪異との対決→解決、という一連の流れが繰り返されます。
これは今作でも徹底されており、独立した短編であることからシリーズの作風を掴むのにうってつけです。
そして本シリーズの持つ独特の雰囲気が、ここにきて熟成されていること。
名古屋、ひいては愛知県という地域に古くから伝わる伝承・歴史・伝説など、土着の文化に基づいた怪異との戦いが本シリーズの主軸です。名古屋と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!遥かな時を経ても、消せない想いを歌い上げる
寝不足に悩まされる大学生・香奈実。疲労が原因なのかと思いきや、その原因は怪異が関係していたのです。香奈実先輩を救うために朔が案内したのは、あまたの事件を解決してきた樹神探偵事務所でした。
気障で大人の色気たっぷりな樹神先生と、大学生になってもピュアさが消えない朔の掛け合いは、何度読んでも飽きることを知りません。
読み応え充分、しかも飯テロで心も満たされる短篇となっております。
前作「共鳴糸エンゲージメント」から数ヶ月経過した時系列になっていますが、シリーズ未読の方も楽しめること間違いなしです。互いの足りないところを補い合う、師匠と助手のバディは最高ですから! - ★★★ Excellent!!!深い眠りの中で、その歌は聞こえてくる
樹神探偵事務所のシリーズの短篇です。いつものメンバーが活躍するいつも通りの安定した面白さ。今回の依頼者は、服部少年の部活の先輩女子。
なんと、夢の中で聞いたこともない歌が聞こえてくるというのです。
たしかに、「歌」って、いつまでもいつまでも耳の中で回り続けて終わらないことありますね。
ですが、彼女の夢の中で聞こえてくる歌は、いままで聞いたことのない童歌なのです。
この謎に挑む樹神探偵と服部助手。
彼女の愛犬の死がことの発端なのですが、それがどうして聞いたこともない童歌に繋がるのか。こんな不思議な事件の謎を解けるのは、やはり樹神探偵事務所しかない。
今回も驚愕の事実と悲しい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!現代に巣食う怪しい事件を解決するのがお仕事な風変わりな探偵社
本作は、なごや幻影奇想シリーズ(https://kakuyomu.jp/users/cool_apple_moon/collections/16816927861474704117)の短編作品。
異能探偵の助手として、主人公が怪奇事件に挑む現代ファンタジーです。
このシリーズ小説は、日本人形や鏡の逸話など、怖い話や都市伝説にまつわる怪事件に主人公たちが挑みます。
本作では『尾張地方の古い童歌』が絡んだ事件の解決に、主人公たちが奮闘します。
このシリーズの見どころである、名古屋らしい文化を感じつつ、美味しそうな名古屋メシのお話も読めるお得感は、もちろん本作でも健在!
不思議なお話にドキドキ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私たちの命は、過去の誰かの延長線上にある。
主人公は弓道部に所属していた。主人公には他人の感覚や想いを受信してしまう能力があり、怪異を扱う探偵事務所でアルバイトをしている。
ある日、同じ弓道部の先輩が悪夢で悩んでいることを知る。主人公は探偵事務所に先輩と共に訪れ、悪夢の中で流れる謎の歌について話す。知らない歌が、先輩の夢だけではなく、現実にも影響を及ぼしていた。
先輩は愛犬の遺骨をある場所に埋めたことを気に病んでいた。しかしそこは、仄暗い過去と繋がる場所だった。そこに、邪気払いの香を調香できる女性が加わり、主人公と探偵、女性の三人で謎の歌の正体を探ることに。
そこにあったのは——。
現在の自分が生きている世界が、大切に思え…続きを読む