此岸にも彼岸にも聴く童歌。二人の心結ばれてこそ。

シリーズ通して読んでいるのですが、本作の怪異、かなり闇が深いです。
なんというのでしょうか、こう、誰も悪役にできないから、誰にもスポットライトを当てきれず、結果みんな枯れていくといいますか。

しかし、不幸にもやっぱりグラデーションがあると僕は思っていて、本作中の中心にいる二人はひどい貧乏くじを引いたと思います。でも二人が−10を引いたとしたら、周りの人も−8か−9くらいを引いているので、やっぱり苦しいところですね。こういうやるせなさの奥にある、心の澱をすっと描いてくる。

作者様の腕、見事です。

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