異性どころか女性同士でもサイズ差があるとなかなか出しにくいこの話題。
ずっと胸に秘めつつ下着屋や洋服屋に行くたびに「はんっ……」とやさぐれ続けてうん十年、「そう! そうなの!」なことをふふっと笑える感じに言ってくれていてなんだかとてもすっきりしました。
育った乳向けの下着は高いし洋服のボタンは閉まらないし、汗で肌荒れするわ肩は凝るわ、なんだったらうつ伏せだって痛いわで溜まり続けたフラストレーションがちょっと解消されました。最近では垂れるのが嫌なので一生懸命筋トレしてますが、内心いつも「なんで私が苦労してお前を支えてやらなきゃならないんだ」と思ってたのも、明日あたりから「まあ、腹出たら隠してくれるからお互い様だね」と少しやさしい気持ちで臨めそうです。
個人的には思春期らへんの、周りに言えなくて地味にストレス溜まってる子に読んで欲しい。「おっきくていいなぁ」って言ってくる友達に「ははっ……」と曖昧な返事しかできないその気持ちが、もしかしたらちょっと楽になるかもしれません。
巨乳。
男の夢ですね。今回はユーザーからのクレームをご紹介します。ユーザー? あ、そっちじゃないですよ。所有者の方です。
服装問題。サイズない問題。肌荒れ問題。経済問題。まぁ、管理維持が大変なようです。これビジネスになりますよ。大手服飾メーカーさん、どうですか? このジャンル、開拓者がそんなに多くなさそうなのでブルーオーシャンなのでは?
まぁ、さておき。
本作は愚痴を吐き出す形式なのですが、作者様の面白おかしい書きっぷりで読んでいて楽しいし勉強になる。
アダルトコンテンツばかり摂取してるメンズよ、これがリアルだ!
当事者の苦労を知って、労ってあげましょう。
このエッセイは、作者宇部松清様の育ちすぎた乳に対する愚痴作品です。
作者様は、胸が垂れたくないばかりに胸トレをしたのですが、結果乳が育ちすぎ……。
貧乳の私からしたら「羨ましい悩みだな」ってなるんですけど、大きいなら大きいなりに色々大変らしいんですよ。
ブラが高いとか、種類が無いとか、胸トレを止めたら垂れるの一択とか、もう愚痴がほいほい出てきます。
「垂れるほどの乳もございません」な私からしたらもう、「巨乳め、垂れておしまい!」って思うんですけどね。うん。垂れちゃえー!!(悪い微笑み)
でもね、このエッセイは嫌味に感じるところがないんですよ。
読んでいて、「あぁ、巨乳の人も大変だな」ってしみじみ思います。
なかなか巨乳の愚痴を聞く事も無かった人生です、全てが新鮮。
乳移植が出来るなら、私に少し分けて頂きたいですけどね……。まぁ、私もトレーニングしたら2カップくらい上がるのかもって希望も持てるエッセイなんですけど。
色々と配慮もなされて書かれている作品なので、センシティブな話題だけどするすると読めます。さすがのエッセイ職人宇部松清様だぜ。
巨乳の苦悩、ちょっと覗いてみませんか?