私たちの命は、過去の誰かの延長線上にある。

 主人公は弓道部に所属していた。主人公には他人の感覚や想いを受信してしまう能力があり、怪異を扱う探偵事務所でアルバイトをしている。
 ある日、同じ弓道部の先輩が悪夢で悩んでいることを知る。主人公は探偵事務所に先輩と共に訪れ、悪夢の中で流れる謎の歌について話す。知らない歌が、先輩の夢だけではなく、現実にも影響を及ぼしていた。
 先輩は愛犬の遺骨をある場所に埋めたことを気に病んでいた。しかしそこは、仄暗い過去と繋がる場所だった。そこに、邪気払いの香を調香できる女性が加わり、主人公と探偵、女性の三人で謎の歌の正体を探ることに。
 そこにあったのは——。

 現在の自分が生きている世界が、大切に思える一作です。

 是非、御一読下さい。

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